俺はただの私服警察官です。

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「ま、とりあえずこれで怪異倒してんの。」

「ふと思ったんだけど怪異って呪霊みたいなもの？」

「わからん」


話を無理やり切り上げ、スマホを出しメッセージアプリを起動させる。すると隣で恵と五条さんが話し始めた。好都合だ。

何か来ていないかを確認する。
同僚らは仕事らしいから特に緊急な用事は無いだろうと思っていた。まあ無かったけど。
小暮からめちゃくちゃメッセージと不在着信来てる。


「返さなくていいの？」

「大丈夫……っと」


急にビルから禍々しい空気が流れ出てきた。
恵が祓おうとしたが五条さんはそれを止めた。
少ししてから窓が割れ呪霊？が飛び出たが野薔薇によって祓われる。
いやぁ、最近の高校生は強いなあ…。

ぼーっとしていると、いきなり後ろから何者かに拘束された。えっ誰？


「あーずーまーさん」

「ひっ」


耳元で名前を呼ばれる。めっっっちゃ知ってる声。
振り向くと何故か私服を着た小暮がいた。同時に悠二と野薔薇、もう一人の少年がビルから出てくる。
そして子供を無事に送り届けた。


「で、東さんはシースー食べに行くわよね？」

「いやビフテキだろ！」


任務が終わったと共に観光モードの二人にそう詰め寄られる。なんか小暮空気で申し訳なくなってきた。


「駄目です。東さん探して連れて帰って来いと言われたので。」

「てことで、また東京来た時に飯行こうな。」


名残惜しいが帰らないと特に高木に怒られる。それだけは嫌だ。
くっ、と唇を噛みながら小暮と帰路につこうとした瞬間腕を引かれる。
一日に腕引かれすぎて脱臼しそうと思ったが、嫌な匂いがして振り解く。しかしそれは叶わなかった。


「…誰だ。」


悠二かと思ったが雰囲気が違う。
いや、まず見た目が違う。目の下にも目があり、黒く太い何かの模様が肌に浮き出ている。
声も違うし顔つきだって若干違う。
悠二なのに悠二じゃない、俺はホルダーに手をつけようとした。


「両面宿儺だ。」

「リョウメンスクナ…！？」


氷室さんが倒したはずじゃ、と驚愕していると段々近づいてくる。


「貴様。いい器を持っているな。」


器…？
訳もわからず眉間に皺を寄せていると、両面宿儺は俺の下腹部を服の上から指でなぞった。


「ここだ」


とん、とん、規則正しいリズムで軽く押される。
何故か金縛りにあったように動けない。


「なに、し、ｯ！！」


ぐっと指で刺激された瞬間、頭が真っ白になった。



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