俺はただの私服警察官です。

番外編 呪 ページ19

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改めて彼らの話を聞けば、とにかく1日ここで過ごし、その間に東京校の先生と解決策を考えていこうとのこと。

いやまあ、いい案ではあるけど。先生方がどう反応するかによるだろそれは。
俺は内心つっこみながら「いい案だな、考えてくれてありがとう」と彼らに笑いかけた。


「そういえば、ここの生徒って2人の他にはいるの？」

「ん？いるよ…ほら、あそこに。」


夏油さんがほら、と視線を送った先には女子生徒が気だるげそうに此方へ向かって歩いていた。
この人は…もしかして……


「彼女は家入硝子。治癒ができる貴重な能力がある。」

「勝手に紹介すんな。」

「はは、ごめんな家入さん。俺は東A。」


とにかく名前を名乗られたら名乗る。彼女はとばっちりで個人情報を開示されたが、俺が言いふらす必要性も何も無いので大丈夫なことを伝えた。

合わせて彼らと同じ説明を家入さんに行えば、ご愁傷様。と煙と共に吐き出された。正直それぐらい軽い反応の方が助かる。


「東さんは過去の自分に会いに行かないの？」


ふと夏油さんにそう問われて肩が揺れる。


「うーん、過去の俺やんちゃだったからなあ。」

「ただのクソガキじゃん。」


…そうだったらよかったのに。
適当に話を合わせて気持ち悪い感覚を腹の底に押し込む。過去は過去、今は今だと半身に言い聞かせれば少しだけ大人しくなった。


「タイムスリップって本当にあるんだね。映画の中の話と思ってた。」

「あの車のやつか。」

「そうそう、でも東さんは家で起きたら過去にいたらしいじゃないか。」

「お前らそういう話意外に好きなんだな。」


タイムスリップの話と俺の話を絡めて考察する五条さんと夏油さん。それを見ている入家さん。
これがもし本当にタイムスリップで、並行世界じゃなかったら…現在の彼らは俺の存在を肯定してくれるのだろうか。


「東」

「へ、わっ!?」


ぼんやりと考えていたら、肩を揺さぶられる感覚。気づけば心配した様子の五条さんが俺の顔を覗き込んでいた。
何かあったかと問われるが、何も無いと言って誤魔化す。
3人は任務に行く為俺はここに残ることとなった。


「行ってらっしゃい。」


石階段から3人を見送り、手を振ろうとした瞬間、ぷつりと糸が切れたような音に目の前が真っ暗になる。そして前に体が傾いた。


「東さん!!」

「へ、っ!?」


声をかけられて気づけば悠仁の腕の中。
この後呪術高専のみんなにめちゃくちゃ心配された。

桜木より 2022.9.28追記→←番外編 呪

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