【ツイステ】魔に愛された少女はねじれた世界を生きる35 (ページ9)

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EPISODE7-100 再会プレッジ！ページ9

『揺籃の塔』を飛び出し、黒鱗城を出ても、私たちは走り続ける。
その時、リリア先輩がある提案をした。

「わしがマレウスに隙をつくる。その隙にシルバーのユニーク魔法で、この夢から脱出せよ！」
「！？あなたを置いていけません！一緒に行きましょう！」
「なぁに、マレウスの癇癪には付き合い慣れておる。夢の中ではわしの魔力も枯渇しておらぬし、力が有り余っとるあやつと遊んでやるには丁度いい」
「しかし……！」

確かに、ツノ太郎と付き合いの長いリリア先輩なら、互角にやり合えるだろう。
だけど、彼を連れてこの夢から出るのは叶わなくなるし、またこの夢に来れる可能性もない。

「心配するな。マレウスはわしを再起不能にしたりはせんだろうよ。……父親に似たのか、非常になりきれぬ優しい男じゃ」
「リリア先輩……」
「シルベー、セベク。“現実の”マレウスのこと……頼んだぞ」
「「……はい！」」

リリア先輩の言葉に、2人が力強く頷く。
直後、雷と炎が巻き起こり、そこからツノ太郎が現れる。

「見つけたぞ、リリア！さあ……どうしてやろうか？ははは……あはははは！」

そうして、2人の戦いという戯れあいは始まった。
魔法を飛ばし、時に組み手で攻防を続ける2人の実力は、素人の目から見ても高い。
ツノ太郎が魔法で炎を生み出すも、リリアさんは氷を出して防御する。

「今じゃ！さあ、行け！早く！」

リリア先輩の言葉に、私たちは一瞬躊躇うも、シルバー先輩だけは動く。

「……絶対にあなたを、みんなを眠りから醒ましてみせます。話したいことが沢山あるんです！」
「おう！約束じゃ、シルバー。夢から醒めたら、また会おう！――夜の祝福あれ」
「……夜の祝福あれ！」

片方は微笑み、もう片方は涙ぐみながら祝福を与え合う。
だけどすぐに、シルバー先輩はユニーク魔法の呪文を唱えた。

「『いつか会った人に、いずれ会う人に』……『同じ夢を見よう(ミート・イン・ア・ドリーム)』！」