【ツイステ】魔に愛された少女はねじれた世界を生きる35 (ページ43)

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『き、緊急事態だったから……元気出して』
「嘘でしょ？絶対アレとかソレとか全部見られてるぅ……うっ、うっ……シテ……ドウシテ……」

オルトが慰めるも、それでもイデアにとって肉親にパソコンの中身を見られたショックは途轍もなく大きい。

「僕が何をしたっていうんだよォ！完全に無関係！もらい事故！拙者、リリア氏の送別会すら行ってないし！なのに何で母親にパソコンの中身を見られる事態になってんの……意味分からん……精神的に被ダメが500億P(ポイント)超え……」

ついに力尽きたようにデスクの上に突っ伏すイデアに、オルトは心底同情した。

『それは本当にそう。誰にも予想ができない、不幸な事故だった……。だ、大丈夫だよ兄さん。母さん、特に何もコメントしてなかったし……』
「ぐあぁ～～！そのちょっと気遣ってる感！男子高校生として、逆に一番されたくない忖度！拙者がブロットを焼却する体質じゃなかったら、オーバーブロットもんですぞ！！！」

先ほど『冥府』にいる弟とやりあうために、二度目のオーバーブロットした人物とは思えない台詞だった。
しかし、イデアの怒りの矛先が徐々にマレウスに向き始める。

「マレウス氏めぇ～～～～～～～～！この怨み……はらさでおくべきか～～ッ！！」

パソコンもそうだが、あんな悪趣味な夢を見せられたことは、現実を受け止めたばかりのイデアにとって逆鱗に触れるのと同義だ。
だからこそ、彼の怒りは収まるどころかさらに膨れ上がっていく。

「こうなったら、普段から強キャラムーブを崩さず、スカしまくりのあの男が……鼻水垂らしながらギャン泣きして許しを請う情けない姿を見ないと気がすまない！さあ、どうしてやろうか……フヒ……イヒヒヒヒヒ！」
『な、なんて悪意に満ちた企み顔……。これは……絶対に起こらせちゃいけないヒトを怒らせちゃったかもしれないね』

兄の極悪面を見て、オルトも釣られるように同じ顔をする。
そして、今もどこかにいるであろうマレウスに向かって、イデアは言う。

「ヒヒッ……見せてやりますわ。陰気な『冥府』で鍛えた究極の陰キャの力。待ってろよ、マレウス・ドラコニア……とっておきの弱みを握って、仕返ししてやるからな！！！」

全身で怒りを露わにしながら、イデアは青い髪を真っ赤に染め上げた。