【ツイステ】魔に愛された少女はねじれた世界を生きる35 (ページ42)

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EPISODE7-116 怨恨リタリエーション！ページ42

No side

「……オルト、そこにいるんだろ？」

偽物からの電話を切り、スマホの電源を切ったイデアはパソコンのウィンドウに話しかける。
ウィンドウには本物のオルトが映っており、兄の様子を見て全てを察していた。

『おかえり、兄さん。驚いたよ。僕もここに再び来るのに苦労したのに、まさか兄さんが自分で戻ってくるなんて……』
「ただいま、オルト。その……まずは謝らせて。お前をたくさん傷つけた。本当に……ごめん」

いくら一時的に忘れていたとはいえ、オルトにしたことは自分自身すら許せない。
肩を落とす兄に、オルトはいつもと変わらない態度で話しかける。

『ねえ、兄さん。そんなことよりさ……僕、ひとりで宇宙に行ったんだよ。それに、マレウスさんとのバトルは危機一髪だった。
　兄さんが寝る間に、スター・ローグの主人公にも負けない大冒険をしたんだ。そんな弟に対して『ごめん』よりも言うべきことがあるんじゃない？』
「………すごいよ、オルト。よく頑張ったね。宇宙一カッコよすぎて、兄の威厳がずたぼろですわ」
『ふふふ！そうでしょう！なにせ僕は……“異端の天才”が作り出した世界一のヒューマノイドだからね！』
「ヒヒッ。そういやそうだった。拙者たちなら全宇宙を支配する日もそう遠くありませんな……なんつって」

いつもと変わらない態度。いつもと変わらない会話。
こんな状況ですることではないが、それでも今の2人にとって代えがたいものだ。

「………………で、だ。あのー、拙者……自室でふて寝からのシームレスにイマココなんだけども……。一体全体、何が起こってるわけ！？」

そうしてイデアは、オルトから現状を聞いた。
マレウスのユニーク魔法によって、賢者の島全域が彼の支配下にあること。

彼の魔法によって、島民全員が仮想現実にいること。
今もその魔法の効果範囲は広がっており、このままでは全世界がマレウスの魔法領域の支配に置かれること。

そして……ケルベロス・ギア製作のため、主任もとい母がイデアのパソコンの中身を全部見られたこと。
全てを聞いて、イデアはデスクの前で項垂れた。

「…………フゥ――――ッ………………。なるほど、理解……と言いたいところだけど、母さんにパソコンの中身全部見られたショックがデカすぎて……マレウス氏が、どチートすぎることしか理解できなかったが……？」