【ツイステ】魔に愛された少女はねじれた世界を生きる35 (ページ39)

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EPISODE7-114 荘厳インビジブル！ページ39

No side

全てを思い出し、泣きじゃくるイデア。
ずびっと洟を啜りながら、嗚咽を漏らし続ける。

「う……うぅっ……！ううう……！僕はここで、オーバーブロットした……オルトと一緒に、天(そと)を目指して……同級生たちに負けた……はは、グズッ……。
　何が『兄ちゃんに任せとけ』だ。いつも僕は、弟(お前)たちに助けられてばっかりじゃないか。情けない……本当に……。ズズッ……」

その時、『現実』のオルトが言ったことを思い出す。

『世界を救うために、あなたの力を貸してほしいんだ……イデア・シュラウドさん！』

あの言葉は嘘偽りないものだ。

「……何が怒ってるか全然わからないけど、オルトが僕に助けを求めてる。帰らなきゃ……あの子のところへ」
「おっ、ようやく目が覚めた？でも、ざぁんねん。ほんと、実につまんないことなんだけど……なーんか忘れてるんじゃないかなぁ？」
「え？」

決意を決めたイデアに横槍を入れたファントムオルト。
彼は頭上にある門を見て言う。

「知ってるでしょ？『冥府』の門は不可逆。『冥府』の王として、一度ここに入り込んだ魂をそうやすやすと元の世界に帰すわけにはいかないよ。ほかのみんなに示しがつかないからね」

ファントムオルトに集まったのは、ブロットの瘴気と無数のファントムたち。
それを見て、イデアは不敵に笑う。

「フヒヒッ……『冥府の王』とは大きく出ましたな。でもオルトこそ、なーんか忘れてるんじゃないかなぁ？お前が持ってるブロットを燃やす呪い……いや、『祝福』は僕も受けている。『冥府(ここ)』にいるとどんどん力が湧いてくるんだよ。全知全能の力を手に入れた気分だ！」

そう言ったイデアの髪が、青から赤に変わる。

「スゥ――ハァ――……イメージするのは最強の自分……！はああああああッ！！！」

イメージを集中させ、イデアは自発的にブロットを生み出す。
そしてガチェットの中にある魔法石が真っ黒に染まる。