【ツイステ】魔に愛された少女はねじれた世界を生きる35 (ページ37)

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EPISODE7-113 混沌グルーム！ページ37

No side

目を開けると、イデアは1人で暗闇に立っていた。

「……なんだ、ここ？暗くて、寒くて……寂しい。僕は知ってる。この感覚を……」

孤独を凝縮したような闇は、イデアにとって馴染み深いものだ。
闇が茨となって明るくなると、イデアは知らない場所に立っていた。

「ここは――？」
「あーあ……あんなに感動的にお別れしたのに。ちょっと再会するのが早すぎない？何があって落っこちてきたんだか知らないけど……なんだか面倒なことになってるみたいだねぇ」

背後から聞こえた声。
思わず振り返ると、そこにいたのは巨大なファントム。

「え？――ひぃっ！？ファ、ファントム……！？」
「やあ元気してる？歓迎するよ、兄ちゃん。ようこそ。暗くて陰気臭い『冥府』へ！」
「えっ……えええええええ！！？？」

そう、イデアがいたのは『冥府』。
そして目の前にいるファントムこそ、『あの日の悲劇』に『冥府』に落ちたオルトの成れの果て。
それすら忘れたイデアは、目を回しながら頭を抱えた。

「さ、さ、さっきから何がどうなってるんだよ！？バーチャル美少年と『S.T.Y.X.』の機体が『兄さん』って呼んできたと思ったら……今度はクソデカファントムが『兄ちゃん』！？
　ぼ、僕の弟は、ロイヤルソードアカデミーに通う好青年だし……お前たちみたいな個性が強烈すぎる弟なんか持った覚えないよ！
　悪夢にしたって理解不能すぎる！夢なら早く醒めてくれ～～～～ッ！」

　情けない兄の言葉に、ファントムオルトは小首を傾げた。

「え？ロイヤルソードアカデミーに通う僕(オルト)？あっはははは！随分想像力たくましい夢を見ていたんだね。そっちのほうが悪趣味で意味不明すぎるじゃん。本当の僕は、キラキラした学校じゃなくてこーんなにジメジメした『冥府』にいるのに」

ファントムオルトの言葉を否定するように、イデアは首を横に振る。