【ツイステ】魔に愛された少女はねじれた世界を生きる35 (ページ36)

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「うわっ！なんだこの黒いドロドロ！？じ、地面に引っ張り込まれる……！」
「ぐぶぶぶぶ…………」
「兄さん！」

『闇』が嗤いながらイデアを引きずり込んでいるのを見て、オルトはすかさず兄の手を取る。

「しっかり捕まって！僕の手を離しちゃダメだ！」
「う、腕が抜けるぅ……！」

必死に兄を救おうとするオルトだが、そこに『S.T.Y.X.』から通信が入った。

『オルくん、聞こえる？すぐそこから離脱して！』
「そ、その声は……母さん！？」
「でもっ、僕が離脱したら、兄さんがッ！」
『一帯の魔法構築式が急速に書き換わってる。これ以上活動を続けると、あなたの信号がロストして戻ってこられなくなるわ！戻りなさい、ORTHO(オルト)！これは上官命令よ！』
「くっ……！！」

母の命令にオルトが悔しげに歯を食いしばると、イデアは呆然と目の前にいる魔導ヒューマノイドを見る。

「オルト？この機体が……？うぐっ！！痛っ……あ、頭がッ！」
「兄さん！？ダメだ、手を離しちゃ……！ああっ！」
「うわあああああぁああああぁ―――！！」

突然襲った頭痛によって力が抜け、イデアの手がオルトの手と離れる。
そしてイデアは『闇』に呑み込まれていく。

「兄さん！くっ……！絶対に、絶対に僕たちがあなたを助け出してみせるから……！」

それだけ言い遺して、オルトはそのまま夢から離脱した。