【ツイステ】魔に愛された少女はねじれた世界を生きる35 (ページ35)

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EPISODE7-112 崩壊ユニバース！ページ35

No side

イデアは混乱していた。

数ヶ月前に終わったと思う入学式をやっていることも。
普段引きこもりの自分が中庭にいることも。
マレウスが親しく接したことがどうでもよくなるくらいに。

目の前で魔法を飛ばし合う『S.T.Y.X.』魔導ヒューマノイドと禍々しい姿のマレウス。
状況が飲み込めないイデアは叫んだ。

「イヤ――――――ッ！！待って、ちょ、なんで『S.T.Y.X.』の機体とマレウス氏が学園の中庭でバトってんの！？ていうかマレウス氏の姿……あれって、まさかオーバーブロット……！？」

マレウスの姿を見て困惑するイデア。
その直後、空に大きな亀裂が走った。

「うわっ！？なんだ、空にヒビが！？」
「ひぃっ！今度は何～～ッ！？」

中庭が徐々に黒い霧で包まれる中、マレウスは静かに答える。

「……夢の崩壊が始まったようだな」
「崩壊だって？」
「本来お前は、この夢にいてはならない存在。そのお前が兄の前に現れたことで、この夢は『幸せな結末』を迎えられなくなった。小さなシュラウドよ。貴様は僕が手を下すまでもない。この崩壊と共に、深淵に呑み込まれるがいい」

そう言ってマレウスは姿を消した。
もちろん、イデアを残して。

「えっ！？ちょ、待ってマレウス氏！拙者を置いていかないでーッ！」
「……そうか。ヒューマノイドの僕の存在は、『あの日の悲劇』の先にしか存在しない。だから兄さんにとっての『幸せな結末』に大きな矛盾が生じたということか！」

オルトが理解した直後、『闇』が容赦なくイデアを呑み込もうとしていた。