【ツイステ】魔に愛された少女はねじれた世界を生きる35 (ページ32)

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「ヒューマノイド……兄さん……オルト、違うっ……僕の弟は……！あ、ああ……ッ、ぐはっ！頭が……割れるッ！！
　オルトは、ロイヤルソードアカデミーに……違う！僕と一緒に、ナイトレイブンカレッジに……ッ。僕の弟は、オルトは……あの日……！」

イデアが思い出そうとした瞬間、それを破る着信音。
電話の相手は――オルトだ。

「オルト……ッ！？うぐっ、頭が……！」

痛む頭を抱えながら、イデアはスマホを手に取る。
そして電話に出た直後、聴こえてきたのは焦ったオルトの声。

『兄ちゃん！騙されちゃダメ！その機械のオルトは偽物だよ！』
「に、偽物ッ……！？」

オルトの言葉に反応するも、頭の中に浮かんだのはナイトレイブンカレッジでの記憶。
そして、自分の隣にいるのは――『現実』のオルト。

「がっ……！！なんだこれっ……！？知らない、記憶が……！」
『偽物が兄ちゃんを洗脳しようとしてるんだ！信じちゃいけない！』
『やっぱり、何の対策もしてないわけがないよね。夢から醒めそうになると、NPCが夢の中に留めようとしてくるってわけか。なんて高度な自立型魔法……。流石は世界で5本指に入る魔法士だね、マレウスさん！』

両方のオルトが何かを言っている間も、イデアの頭痛はひどくなるばかり。
その時、スマホの向こうのオルト――いや、『夢』のオルトは言った。

『そこを動かないで、今助けに行くよ！兄ちゃん！』

そう言った直後、部屋の中に現れたのは『闇』。
しかしそれを知らない『現実』のオルトは驚く。

『なんだ！？黒くてドロドロしたものが部屋に溢れて……まさか、ブロット？』

その時、その『闇』の中から出たのは。

「おまたせ、兄ちゃん。僕が来たからもう大丈夫さ」
「オ、ルト………？」

顔が黒く塗り潰され、ロイヤルソードアカデミーの制服を着たオルトだった。