【ツイステ】魔に愛された少女はねじれた世界を生きる35 (ページ24)

今日:3 hit、昨日:32 hit、合計:4,702 hit

EPISODE7-106 任務パフォームド！ページ24

No side

オルトが目を開ける。
何度か瞬きをすると、目の前に見慣れた光景があった。

「あれ？ここは……？」
「目が醒めた？オルくん」

『S.T.Y.X.』の一室にいたのは、所長と主任だった。

「母さん……父さん……僕……」
「ケルベロス・ギアは特殊装甲で覆っていたコア周辺の一部のパーツを残して大破。KB-RS01、02両機は領域内で活動を停止したわ」
「そっか……2機とも、連れて帰ってきてあげたかったけど……」
「あの子たちは立派に務めを果たした。魔法領域が解除されれば、きっとパーツを回収できるわ。そうしたら、ママがピカピカに直してあげる」
「……せっかく作ってくれたのに、ごめんなさい」

主任の言葉は嬉しかったが、やはり母から贈られたこともありショックが大きい。
オルトの謝罪に主任は大声で否定する。

「何言ってるの！あなたが無事だったこと以上に大事なことなんかない。おかえりなさい、オルくん」
「おかえり、オルト。よく帰ってきてくれたね」
「……うん。ただいま」

両親からの労いの言葉を貰ったオルトは、彼らに優しく抱きしめられる。
自分の機体はなく、今はホログラム状態なのに、不思議とぬくもりが感じられた。

「あっ！そうだ、解析アンカーは！？」
「無事に回収した。お前たちは仕事をやり遂げたんだ」

オルトの質問に、所長はこれまでの結果を伝える。

「現在、『S.T.Y.X.』の情報処理班が全力で解析にあたっている。マレウスの魔法領域は、実に多重的で複雑な術式で構築されていて……被検体F……いや、グリムくんにかけられていた古代魔術を思わせる。だが茨の谷の協力もあり、早急に術式の構成を解明することができた」
「もう！？すごい、最高の結果だね！」
「いや、結果は最悪だ」
「え？どうして？マレウス・ドラコニアさんお魔法領域の仕組みを解明できたんじゃないの？」
「ああ。完全にね」