【ツイステ】魔に愛された少女はねじれた世界を生きる35 (ページ13)

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EPISODE7-101 現状ブリーフィング！ページ13

何故、という疑問が私の頭の中をぐちゃぐちゃにかき乱す。
夢とはいえ400年前の茨の谷から、現代のイグニハイド寮に移動しただけでなく、目の前にいるのは完全に正気になっているイデア先輩。
突然の出来事に、誰もが目を丸くする。

「な、なんだ貴様は？一体どういうことだ！？僕たちは夢から醒めたのか？」
「残念ながら、まだ夢の中だよ。夢っていうか、マレウス氏が作り出した魔法領域の中ってほうが正しいけど。
　君がイカつい甲冑を着てるのがその証拠。残念だけど、その鎧は『現実』には持って帰れない。ソレは『物質』じゃなくて『情報』だから」

イデア先輩の話は些か難しい。
完全に専門知識だと、いくら才媛(もちろん嫌味で)と言われた私でも、彼の話を全部理解するのは難しい。

「ま、待ってくれ。あなたはなぜここが“マレウス様が作り出した魔法領域の中”だと認識している？眠る前のことを、すでに思い出したというのか？」
「思い出したっていうと語弊があるけど、情報としては把握してる」
「情報としては把握してる？」
「ちょ、ちょっとタイム。説明は後でちゃんするから。その前に、えーと……ディアソムニアの2人は、僕とほとんど話したことないよね？」

あ……そういえばそうだった。
寮も学年も違い、しかも引きこもりのイデア先輩を彼らが知っているはずがない。

「ぼ、僕はイデア・シュラウド。一応、イグニハイドの寮長やってマス」
「……そうか！どうりでどこかで見た顔だと思っていた。貴様、イグニハイド寮の寮長か！入学式のときは板状の姿だったし、こんなにしっかりと姿を見るのは初めてな気がするぞ」
「あ、ああ～……ハイ。『現実』では君らの入学式、リモートで出たからね……」
「そういえばそうだったわね」

入学式くらい生身で出てください。

「僕はディアソムニア寮所属、1年Ｄ組33番セベク・ジグボルト！！こっちのボーっとした男はシルバー。同寮の2年生だ！！」
「ぅひぃッ！こ、声デカ……鼓膜が破れるかと思いましたわ。マレウス氏たち、日常的にこの声量を至近距離で浴びててよく耳が無事ですな……」
「すまない、イデア先輩。後で気をつけるように言っておく。ここは夢の中だかあ、実際に鼓膜が破れるようなことはないと思うが……はっ！」