【ツイステ】魔に愛された少女はねじれた世界を生きる35 (ページ11)

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「ううっ……毎回この無様な着地をするのは、なんとかならんのか？」
「もう慣れてきたわ。でも、次こそは華麗に着地してやるわ」

土埃で汚れた制服を払いながら、私は立ち上がる。
改めて周囲を見渡すと、私たちがいるのはいくつものガイコツが逆さまになった神殿を持ち明ける巨大オブジェがある建物。
その中央には、ホログラムで投影されたイグニハイド寮のエンブレムがあった。

「ここは……イグニハイド寮？」
「一体誰の夢なんだ？」
「アレッ！？オルトは？アイツどこいっちまったんだゾ！？」
「本当だわ。どこにもいない」
「なにっ？まさか、夢の回廊に置き去りに……！」

いなくなったオルトに私たちが焦り出すと、階段のほうから声がした。

「あ、あのー……み、皆さん？す、すこし落ち着いて」
「「「「！！！！」」」」
「ちょっと待って、タイムタイム。せ、拙者は敵ではござらぬゆえ、そんな怖い顔で睨まないでもろて……」

さっきまでいた場所のせいで警戒した私たちだが、聞き覚えのある声のおかげで冷静になったと同時に困惑した。
イグニハイド寮とオルトで連想させる相手は1人しかいない。
だけど、何故彼が……！？

「あ、あなたは……！」

階段の向こうから現れた彼は、普段のどもり口調が嘘のように滑舌よく喋る。

「タンクがいなきゃ、ボス討伐クエは始められない。これでようやく突入準備が整いましたわ。前座は終わり。いよいよメインイベントの始まりだ！ヒヒッ！」

イグニハイド寮の寮長であり、オルトの実兄。
そして嘆きの島の番人もとい非政府組織『S.T.Y.X.(ステュークス)』の代理所長――イデア・シュラウドは高らかに宣言した。