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EPISODE7-88-2 大切なもの ページ8

No side

「「はぁ、はぁ、はぁ……」」

部下たちに足止めしてもらったリリアとバウルは、森のある場所で一旦立ち止まる。
ここまで来るまでの連戦、しかも世継ぎの卵を守るという仕事は、これまで数々の任務をこなしてきた彼らでも疲労感が半端ない。

「……なんとか、撒いたか?」
「!!右大将殿!危ない!」

リリアが一息ついた直後、バウルがすぐさま体を押す。
直後、無数の矢が飛んできた。

「いたぞ、ヴァンルージュだ!」
「よくも今まで俺たち人間を苦しめてくれたな。右大将を討ち取れば、貴様らと戦い続けた祖父もうかばれるというもの!」
「よく狙え!ドラゴンの卵に傷をつけるなよ!」

茂みの向こうに現れたのは、『銀の梟』の小隊。
それを見て、バウルは歯噛みする。

「くっ、囲まれたな……。ざっと10人……いや、15人ほどか。右大将殿、ここは私が引き受けます。どうかお先に!」
「何言ってんだ!いくらお前でも、ひとりで相手しきれる数じゃねえ」
「奴らの狙いはあなたの命と、お世継ぎの卵。それだけは人間どもに奪われるわけにはいかない。その卵を抱えたままでは、ろくに戦えますまい。このバウル、必ずや敵を一掃し、追いついて見せます。さあ、お早く!」
「くそっ………くたばったら許さねぇぞ!」

バウルの言葉に反論できず、リリアは踵を返して疾走する。

「ヴァンルージュが逃げたぞ!追え追えー!」

『銀の梟』がリリアを追おうと足を動かすも、直前でバウルが魔石器を振るう。
魔法石の刃は大木に直撃し、そのまま重力に従って倒れる。

「うわっ!?なんだ今の一撃は?」
「魔石器一振りで、巨木がなぎ倒された……!?くそ、道を塞がれたぞ!」
「よく聞け、人間ども!我が名はバウル・ジグボルト!!誇り高き茨の国の王宮近衛兵がひとりである!!我が斧の曇りとなりたい者は前へ出ろ!1人残らず丸呑みにしてくれる!」

魔石器を振りかぶりながら、バウルは『銀の梟』のへと吶喊していった。

*→←EPISODE7-88-1 託された命、魔法の目印



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ブロッサム(プロフ) - ありがとうございます! (1月7日 16時) (レス) id: 2d3621a68f (このIDを非表示/違反報告)
only07(プロフ) - ブロッサムさんのお話一気読みしてしまいました!陰ながら応援しています〜。 (1月7日 16時) (レス) @page18 id: 621931103c (このIDを非表示/違反報告)
ブロッサム(プロフ) - 誤字報告ありがとうございます! (1月7日 16時) (レス) id: 2d3621a68f (このIDを非表示/違反報告)
ミア - 訂正があります。18ページのシルバーのセリフの【休憩】が【旧姓】になってます。 (1月7日 16時) (レス) @page18 id: 82bb734709 (このIDを非表示/違反報告)
ブロッサム(プロフ) - お待たせしました!無事更新です! (1月4日 16時) (レス) id: 2d3621a68f (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ブロッサム | 作成日時:2023年12月1日 0時

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