【ツイステ】魔に愛された少女はねじれた世界を生きる34 (ページ35)

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EPISODE7-89 到達デスティネーション！ページ35

「ついに……たどり着いたぞ…………黒鱗城に！」

暗い森を駆け、『銀の梟』を振り切り、魔の山を登り。
ついにたどり着いた黒鱗城。

断崖絶壁にある黒い鱗のように輝く城。
辺りが暗くても、その存在感はひしひしと感じられた。

「ここが……黒鱗城！」

そして、ツノ太郎の実家。
城を前に誰もが無言でいると、城にいた近衛兵たちが駆け寄ってきた。

「ガルルル！ガァァッ！」
「クケーッ！！」
「俺のことはいい！卵を……この卵を、王城まで……！急いで『揺籃の塔』の準備を……マレフィシア様に伝えてくれ。早く！」
「ギャォオウ！！」

近衛兵たちはリリアさんを心配するも、彼の指示に従う。
それにしても、『揺籃の塔』って何……？
シルバー先輩たちも気になっている中、リリアさんが膝から崩れ落ちた。

「ぐっ……！」
「右大将殿！誰か医者を呼べ、すぐに治療の準備を！」
「医者なんぞいらねぇ。勅命は、果たした……俺はすぐに、翠が原に戻って……！」
「何を馬鹿な！そんな身体で戦場に戻るなど無謀が過ぎます！」

今にも翠が原に戻ろうとするリリアさんに、バウルさんが止めようとした時、とんでもない雷鳴が響いた。

「「「「「「！？」」」」」」
「なんだ！？急に東の空が明るく……」
「そんな……まさか、この光はッ！」

セベクが戸惑い、リリアさんが絶句する中、私の背筋が震えた。

「何これ……すごく、嫌な感じがする……！」

No side

時は少し遡り、野ばら城。
ドラゴンとなったマレノアと夜明けの騎士を含む『銀の梟』の戦いは、終焉を迎えようとしていた。

「ギャオオォオオォ――――！！！」

マレノアの口から吐き出された緑の炎は、残っていた鉄の者たちを襲った。

「ぐわァ―――ッ！」
「魔女め！あれほどの攻撃を受けて、まだ叩ける力が残っているのか！空を覆う邪悪な魔力に、逃げ道を塞ぐ漆黒の茨……まさに悪の支配者の為せる業……！」
「集まった同市たちも、どれだけやられたか分からん。あんな怪物と共存などできるわけがない。絶対にここでヤツを倒すぞ！」
「「「ウオオオオオ―――！！」」」
「キシャアアア―――――――！！」

マレノアの力に恐れながらも、『銀の梟』は果敢に立ち向かう。
ドラゴンの炎が襲い、仲間が倒れても、鉄の剣を握り締めて戦う。