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EPISODE7-88-17 自慢話は終わった後で ページ31

「「「「はぁ、はぁ、はぁ……」」」」

なんとか橋が崩れる前にたどり着いた4人。
先ほどの戦闘もあり、誰もが息を切らしている。

「橋が崩落して奈落へ……危ないところでしたね」
「ああ。だが。これでもう人間どもも追ってこれないだろう」

そんな会話をしているのを知らず、私とグリムは彼らの元へ駆け寄る。

「オーイ、シルバー、セベク!リリア、バウルー!」
「みんな、無事ですか!?」
「グリム、A!卵様はご無事か!?」
「さっきの地震で岩が転げ落ちてきてあぶねぇところだったけど、オレ様とAは守ってやったんだゾ。感謝しろ!えっへん!」
「グリムが魔法で岩を弾いてくれたのよ」

まぁ、その際に頭にタンコブできたけど……名誉の負傷とでも思っておこう。

「ふん、貴様らにしてはなかなかの働きじゃないか。褒めてやろう!」
「相変わらず偉そうなヤツなんだゾ。ところでセベク、オメーなんか別れたときと服がちがくねーか?」
「それ、近衛兵の服よね?どうしたのよ」

今のセベクの恰好は、ディアソムニア寮の寮服ではなく、近衛兵の服。
しかも魔石器まで持っている。

「フッ……気づいたか、グリム、A!見ろ、この素晴らしい装備を!」

そう言って、セベクが自慢してきた。

「バウル様に認められ、特別に王宮近衛兵の装備を賜ったのだ!夜の森のような深い翠、そして肩には茨の国の紋!なんと素晴らしい意匠か……!」

高らかにそう自慢するも、私たちは聞いていなかった。

「……やけに静かだな。おい聞いているのか、グリム、A?……って、すごく遠くにいる!」

――だって、リリアさんに卵を返してさっさと山に向けて歩いてるから。

「ちんたらしてると置いていくんだゾ、セベクー」
「自慢話は終わってからねー」
「こら、貴様ら!せっかくこの装備の素晴らしさを語っていたというのに……待て!ちゃんと僕の話を聞け〜!」

そう嘆くセベクだったけど、私たちは気にせずそのまま前に進んだ。

EPISODE7-88-18 死に行く覚悟→←EPISODE7-88-16 魔の山の加護



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ブロッサム(プロフ) - ありがとうございます! (1月7日 16時) (レス) id: 2d3621a68f (このIDを非表示/違反報告)
only07(プロフ) - ブロッサムさんのお話一気読みしてしまいました!陰ながら応援しています〜。 (1月7日 16時) (レス) @page18 id: 621931103c (このIDを非表示/違反報告)
ブロッサム(プロフ) - 誤字報告ありがとうございます! (1月7日 16時) (レス) id: 2d3621a68f (このIDを非表示/違反報告)
ミア - 訂正があります。18ページのシルバーのセリフの【休憩】が【旧姓】になってます。 (1月7日 16時) (レス) @page18 id: 82bb734709 (このIDを非表示/違反報告)
ブロッサム(プロフ) - お待たせしました!無事更新です! (1月4日 16時) (レス) id: 2d3621a68f (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ブロッサム | 作成日時:2023年12月1日 0時

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