EPISODE7-88-14 思い出の地 ページ27
諦め悪くツノ太郎の卵を狙う『銀の梟』。
彼らは大勢いて手間取ったか、それでも私たちの敵ではない。
ぬかるんだ地面に倒れる彼らを見て、シルバー先輩は一息つく。
「ふぅ。全員倒せたようだな」
「そのようですね」
「『勝った、と思った瞬間が一番の隙』……。目的地を前にして油断が生じたのかもしれない。もっと気を引き締めていかなくては」
「……一理あります。魔の山で待ち伏せされてるかもしれませんし」
「ああ。そうだな」
そこからは、誰もが警戒しながら歩くことになった。
ちょっとした茂みの揺れも気にし、雷で耳がおかしくなりかけても、それでも辺りを見渡すことはやめない。
そうして歩いていくと、ふとシルバー先輩が足を止めた。
「どうしました？」
「なんだろう……このあたりの森は、懐かしい匂いがする」
「懐かしい……？」
「そうか。魔の山を越えれば、俺たちが暮らしていた家がある場所だ」
家……あ、もしかして『闇』の中で見たあの家のこと？
でも、魔の山を越えれば竜の都があるはずだ。
右大将を勤めていたリリア先輩なら、王都に家を持っていてもおかしくない。
なのに、魔の山付近に家を構えていた？
(……いや、今はそんなことを考えてる暇はない)
一刻も早く、魔の山へ向かうのが先決だ。
「……大丈夫。俺には、あの家で過ごした日々の大切な記憶がある。この先何があっても……もう、二度と迷わない」
「そうしれくれるとこちらとしても助かります。次は私がシルバー先輩を殴らないといけませんから」
「そうだな」
そんな軽口を叩きながら、私たちはようやく魔の山に続く道へと足を踏み入れた。
EPISODE7-88-15 魔の山の大橋→←EPISODE7-88-13 魔の山まであと少し
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ブロッサム(プロフ) - ありがとうございます！ (1月7日 16時) (
レス) id: 2d3621a68f (このIDを非表示/違反報告)
only07(プロフ) - ブロッサムさんのお話一気読みしてしまいました！陰ながら応援しています〜。 (1月7日 16時) (レス) @page18 id: 621931103c (このIDを非表示/違反報告)
ブロッサム(プロフ) - 誤字報告ありがとうございます！ (1月7日 16時) (レス) id: 2d3621a68f (このIDを非表示/違反報告)
ミア - 訂正があります。18ページのシルバーのセリフの【休憩】が【旧姓】になってます。 (1月7日 16時) (レス) @page18 id: 82bb734709 (このIDを非表示/違反報告)
ブロッサム(プロフ) - お待たせしました！無事更新です！ (1月4日 16時) (レス) id: 2d3621a68f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ブロッサム | 作成日時：2023年12月1日 0時
