【ツイステ】魔に愛された少女はねじれた世界を生きる34 (ページ26)

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EPISODE7-88-13 魔の山まであと少しページ26

雨に濡れて、一体どれだけ歩いただろうか。
互いに重たい荷物を持ち、足が痛くなるまで歩き続け、ようやく目的地へと近づいていく。

「はぁ、はぁ……見ろ、シルバー！A！トゲトゲの山がもう目の前なんだゾ」
「ふぅ……。ああ、本当だ。ふたりとも、この悪路の中よく頑張ったな」
「オレ様たちより、オメーのほうがヨレヨレなんだゾ、シルバー。リリアを背負いながら、いっぱい戦って……ま、まあオレ様ほどの活躍じゃなかったけどよ」
「嘘言わないの。……でも、本当に凄かったです、シルバー先輩」

彼はずっと、リリアさんという重荷を背負いながら歩き、戦い続けた。
それはきっとどれほど大変なのか、女の私にはあまり想像できない。

「グリムとAにはたくさん助けられた。感謝している。セベクも早く追いつけばいいが……」
「あのツノ太郎至上主義がそう簡単にやられませんよ」

そう言いながら歩き出そうとした時、ヒュンッと風切り音がした。

「あぶねぇ、A！」

グリムがこちらに向かって突進したと思うと、私のいた場所に矢が刺さった。

「えっ！？」
「もう少しで矢が当たるところだったんだゾ。誰だ、オレ様の子分を狙ったヤツは！」
「いたぞ！ドラゴンの卵を持った人間だ！」
「くっ……いつの間に背後に！？」

現れたのは『銀の梟』たち。
すぐさま臨戦態勢を取ると、彼らも剣を取る。

「夜の眷属に力を与えるという魔の山……逃げ込まれては厄介だ。今ここで捕える！」
「ここまで来て、お前たちに捕まるわけにはいかない」
「うう……っ！」
「もう少しです、親父殿。今しばらくの辛抱を！」

呻き声を上げるリリアさんにそう伝えるシルバー先輩の横で、私もマジカルペンを構えた。

「ヘンリクの豚野郎に伝えておきなさい。お前みたいな人間のクズに、ドラゴンの卵は渡さないってね！」

そう言った直後、私は渾身の魔法を彼らに打ち込んだ。