【ツイステ】魔に愛された少女はねじれた世界を生きる34 (ページ18)

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EPISODE7-88-7 無人の野営地ページ18

シルバー先輩がリリアさんを背負い、私がツノ太郎の卵を運ぶ。
雨の中を歩いていると、見覚えのある野営地を見付けた。

「ここは……茨の国の王宮近衛兵の旗章がかかっているが、無人のようだ」
「オッ、でも食料とか救急箱が置いてあるみてぇなんだゾ」
「この一帯を警備する近衛兵の立ち寄り所のような場所かもしれないな。少し休憩させてもらったら、すぐに出発しよう。のんびりしていると、セベクに追い越されてしまうかもしれない」
「そうですね」

ひとまず、野営地でリリアさんの傷を手当し食べやすくした食料を食べさせた後、私たちは固形食料で空腹を満たす。
再び外に出ると、雷が鳴り響き、その光で目の前に巨大な山があるのを見えた。

「！！今の見たか、A！ずっと先にトゲトゲした真っ黒い山があったゾ」
「あれが魔の山と呼ばれる霊峰だ。伝説によれば、かつてあの山には茨の魔女が居城を構えていたとか……」
「あそこが……」

あんな恐ろしく、寂しそうな山に……？
一体茨の魔女は、どんな気持ちで暮らしていたのだろう。

「あの険しい山の先に、この国の王都、竜の都と黒鱗城がある」
「うげっ！じゃあオレ様たちあのとんがった山を登るってことか！？」
「野営地で空を飛べる騎獣を借りれるかもしれないが……魔の山には常に暗雲が立ちこめ、ドラゴンの許しを得ていない者には雷が落ちると言われている。それが外からの侵入者を退ける要塞の役割を果たしているというから……空を突っ切ることは難しい……と思う」
「オレ様たちが運んでるのは、そのドラゴンの卵なんだゾ！？」
「卵を運ぶ人はカウントされないのよ……きっと」
「全ては野営地に行ってみないことには、だな」

なんとも面倒な防衛装置を作ったものだと思いながら、結局私たちには山を登ることしか手段がない。
ぶつぶつ文句を言うグリムを連れながら、私たちは魔の山に向けて歩き出した。