EPISODE7-88-3 新たな戦士の誕生 ページ11
No side
深い森の中、冷たい雨が降るもセベクの猛攻は止まらない。
寮服がボロボロになり、警棒にヒビが入っても、それでも目の前の敵を倒すために戦う。
「これで終わりだ！はぁああ！！！」
セベクの一撃が装甲掘削機を破壊する。
地面に倒れる鉄の者たちを見下ろしながら、セベクは荒く息を吐く。
「はぁ、はぁ……！こ、これで最後、か……！ど、どうです、バウル様！やりましたよ！」
「本当に勝ってしまうとはな……実に見事な戦いぶりだった」
そう言ったバウルの言葉は、一切の嘘偽りはない。
事実、セベクの戦いぶりは目を見張るものがあった。
「！！身に余る光栄なお言葉……うっ、いてて……！」
「人間……お前はなぜ懸命に我々妖精を助けようとする？」
「確かに僕の父は人間です。しかし……母は妖精なのです」
「！！」
衝撃的な事実を知り驚愕するバウルの顔を見て、セベクは静かに語る。
己の両親と、厳格でありながらも優しい祖父のことを。
「母方の祖父は、とても人間を嫌っていました。憎んでいたと言ってもいい。一人娘であった母が人間と結婚することになり、それはもう……揉めに揉めたとか。
現に祖父と父はいまだに折り合いが悪い。それでも……祖父は、一度たりとも孫である僕たちを遠ざけはしなかった。
厳しい顔をした無口な方で、訪ねて行っても歓迎の言葉を聞いたことはありません。でも祖父の家にはいつも新品の児童書や、彼が口にしないお菓子や甘い飲み物が用意してありました」
それが、とても不器用な祖父なりの歓迎の仕方。
バウルなりの、孫への接し方だった。
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ブロッサム(プロフ) - ありがとうございます！ (1月7日 16時) (
レス) id: 2d3621a68f (このIDを非表示/違反報告)
only07(プロフ) - ブロッサムさんのお話一気読みしてしまいました！陰ながら応援しています〜。 (1月7日 16時) (レス) @page18 id: 621931103c (このIDを非表示/違反報告)
ブロッサム(プロフ) - 誤字報告ありがとうございます！ (1月7日 16時) (レス) id: 2d3621a68f (このIDを非表示/違反報告)
ミア - 訂正があります。18ページのシルバーのセリフの【休憩】が【旧姓】になってます。 (1月7日 16時) (レス) @page18 id: 82bb734709 (このIDを非表示/違反報告)
ブロッサム(プロフ) - お待たせしました！無事更新です！ (1月4日 16時) (レス) id: 2d3621a68f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ブロッサム | 作成日時：2023年12月1日 0時
