EPISODE7-67-29 どこか心は晴れず ページ10
道中、私たちは賑わった声が聞こえた小さな町を見つけた。
「あそこに見えるのは……港町か？」
「あれは人間どもが築いた町だ……なんと忌々しい！」
バウルさんがそう吐き捨てると、ちょうど馬車を引いた行商人が私たちに声をかけた。
「おや、そこの道ゆく旦那様がた！珍しい香辛料や香油はいかがです？薔薇の王国からの輸入品でさぁ。お土産にきっと喜ばれますよ！」
私たちが旅の集団かと勘違いしたのか、行商人はにこやかに話しかけてくる。
「む？人間の物売りか？」
「ひっ！！化け物！化け物だぁ〜〜〜〜！！！誰かお助けぇ〜〜〜〜！！！」
「なっ！？化け物だと！？」
化け物扱いされ憤るバウルさん。
しかし、行商人の叫びを聞きつけて『鉄の者』が駆けつけた。
「どうした！なんの騒ぎだ！……はっ！？貴様らは、茨の国の！」
「奴らがわしの売り物を奪おうとしてきたんです！」
「その男は嘘を言っている！僕たちは何も奪おうとなどしていない！」
「むしろそっちから普通に商品を売りにきたじゃない！！」
なんていう冤罪！
これにはさすがの私とセベクは抗議するも、彼らは聞き入れない。
「信じられるか！お前たちがどれだけ我々の採掘した物を横から奪ってきたと思っている！」
「その盗人猛々しい物言い……もう許さん！そこへなおれ！」
結局、『鉄の者』と戦い、見事に彼らを追い払う。
彼らは薄情にも行商人を置き去りしており、置いて行かれた行商人は真っ青な顔で私たちを見た。
「ひぃ……店の売り物をすべて差し上げますから、どうか見逃してください……っ！」
「そんなものより、我らを侮辱したことを謝罪してもらおうか！」
「侮辱の慰謝料としてもらっときゃいいじゃねぇか」
「しかしッ！」
「こんなところで油を売ってる暇はねぇ。それに……なんだか嫌な予感がする」
そう言って、リリアさんは砦のほうを見た。
「こんな砦の近くで大騒ぎしたのに、『夜明けの騎士』が顔を見せやがらねぇ」
「！！確かに……」
「さっさと書状を届けて野ばら城に戻るぞ」
「チッ……お心の広い右大将殿に感謝し、猛省するがいい、人間！！」
「はは――っ……！」
時代劇さながらに頭を下げた行商人を置いて、私たちは先に進むのだった。
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ブロッサム(プロフ) - 見ましたよ！やばかったです！多分夢主のことですから、フェローを見て（あの人、良い毛皮が取れそう……）と最初に思いますね！ (10月16日 22時) (
レス) id: 18fafb8a30 (このIDを非表示/違反報告)
ミア - ステージ・インプレイスルランド 〜踊る人形と幻の遊園地〜。見ましたか！？何もかもやばかったですね！開始が待ち遠しいです！この小説の夢主がどのようなことをするのか楽しみです！ (10月16日 20時) (レス) @page31 id: e7ce89d83f (このIDを非表示/違反報告)
ブロッサム(プロフ) - ありがとうございます！ (9月10日 20時) (レス) id: b52f0561ce (このIDを非表示/違反報告)
ユノン - 更新はゆっくりでいいですよ (9月10日 18時) (レス) id: f5fff43cec (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ブロッサム | 作成日時：2023年8月14日 17時
