とある魔女と王女の一幕 ページ42
今でも思い出す。
「――ルナティア。お前は恋をしないのか？」
「……………………はい？」
わたくしの質問に、つまんでいたクラッカーをテーブルの上に落として目を丸くした、我が親友の姿を。
ある満月の夜、久方ぶりに我が国を訪れたルナティアをもてなしていた。
彼女の来訪は、茨の国にとっては大事なことで、訪れると国の者全員が仕事の手を止めて出迎える。
大樽に入ったベリージュース。
彼女が好む甘い菓子。
口直しの塩味が効いたクラッカーと一口サイズのチーズたち。
いつも通りの出迎えの品々を見て、彼女は「これを見ると茨の国に来たーってなるのよねー」と朗らかに言ってくれる。
そうしていつも通り、城に呼び出して、こうして今までの思い出話を聞くのがわたくしの楽しみだった。
わたくしの知らない国で起きて巻き込まれた事件や、旅の最中で見付けた秘境の話。
少し前に東の砦に行き、ヘンリクを縛り上げてカラスに遊ばせたまま放置して逃げた話を聞いた時は、思わず大笑いして臣下たちを驚かせてしまった。
そして、ここに来る前に見た結婚式の話を聞いて、わたくしは冒頭の質問を投げたのだ。
「えっと……ちょっと待って、今頭が追い付かなかったわ。もう一度言ってちょうだい？」
「――ルナティア。お前は恋をしないのか？」
「誰が一言一句そのまま言えと言った！？ああ違う、そうじゃなくて。やっぱり私の空耳じゃなかったのね……」
難しい顔をしながら、行儀悪くテーブルの上に落ちたクラッカーを口に入れ、そのままベリージュースで流し込むルナティア。
それでようやく落ち着いたのか、彼女は胡乱げな目をわたくしに向けた。
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ブロッサム(プロフ) - 見ましたよ！やばかったです！多分夢主のことですから、フェローを見て（あの人、良い毛皮が取れそう……）と最初に思いますね！ (10月16日 22時) (
レス) id: 18fafb8a30 (このIDを非表示/違反報告)
ミア - ステージ・インプレイスルランド 〜踊る人形と幻の遊園地〜。見ましたか！？何もかもやばかったですね！開始が待ち遠しいです！この小説の夢主がどのようなことをするのか楽しみです！ (10月16日 20時) (レス) @page31 id: e7ce89d83f (このIDを非表示/違反報告)
ブロッサム(プロフ) - ありがとうございます！ (9月10日 20時) (レス) id: b52f0561ce (このIDを非表示/違反報告)
ユノン - 更新はゆっくりでいいですよ (9月10日 18時) (レス) id: f5fff43cec (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ブロッサム | 作成日時：2023年8月14日 17時
