EPISODE7-73 案出ブレイクスルー！ ページ28
砦の周辺を取り囲む、白銀の鎧の集団。
砦の中で高所、それも見晴らしのいい場所でセベクとシルバー先輩はそれを見下ろしていた。
「……見てみろ。『鉄の者』たちが隠れもせずに砦を取り囲んでいるのが見える」
「100人はいそうだ……対してこちらは10人に満たない」
「だが少数だからこそ、“奴ら”の助けがあれば逃げ切れるはずだ」
「ああ。パンのお礼に“友だち”にも声をかけてくれると言っていた。彼らを信じよう。いくぞ……。……スゥー……」
静かに息を吸ったシルバー先輩は、透き通った口笛を吹く。
その音に『鉄の者』はすぐに反応する。
「なんだ？口笛の音？」
「妖精の奴ら、何か仕掛けてくるつもりか？フン。砦の中で震えていればこれ以上痛い目にみずに済んだものを……。いいだろう。叩き潰してやる！総員、砦へ突撃――！」
司令官と思しき『鉄の者』が号令を出した直後、上空から羽ばたき音が聴こえてきた。
「ん？なんだこの音は……うわっ！？」
「なんだ！？は、鳩ォッ！？」
「うわっ！いててて！なんだこいつら！？」
「雀や梟までいる！こらっ！俺のマントを引っ張るな！離せ〜！」
突然の鳥類の襲撃にあたふたふるも、さらなる追撃が襲う。
その正体は――森へと向かってくる、大量の動物たちだ。
「今度はなんだ！？森から動物の大群が……！」
「ぎゃあっ！何かが鎧の中に入ってきた！！」
「ひぃっ！リス！？いででっ！耳をかじられた！」
「やめろぉっ！くすぐったい！いひひひひっ！」
動物たちの襲撃に悪戦苦闘する『鉄の者』たちを見ろしながら、シルバー先輩は感謝を告げる。
「ありがとう、みんな！恩にきる！」
「『鉄の者』たちが怯んだぞ！今だ！」
「い、行くぞ、A！オレ様にしっかり捕まってろ！」
「箒の運転、頼んだわよグリム！」
「突破する！シルバーに続け―――！！」
「「「ギギ―――ッ！」」」
私を含め近衛兵たちが箒に跨る。
私も飛行術が使えるが、箒の本数とグリムがやる気になったため、操縦を譲った。
そうして空を飛ぶ準備をする私たちを見て、動物たちにもみくちゃにされながらも『鉄の者』は叫ぶ。
「ぐぐぐ、逃がすか！弓、つがえー！」
「セベク！！後ろだ！」
「なにっ！？」
「危ない！」
『鉄の者』が放とうとする矢が、セベクに迫ってくる。
すぐにマジカルペンを取り出そうとするも、聞こえてきた雄叫びと蝙蝠の大群と共に誰かが間に入った。
それは――リリアさんだ。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 62人がお気に入り
お気に入り作者に追加
「ツイステ」関連の作品
この作品を含むプレイリスト ( リスト作成 )
この作品を含むプレイリスト 
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ブロッサム(プロフ) - 見ましたよ！やばかったです！多分夢主のことですから、フェローを見て（あの人、良い毛皮が取れそう……）と最初に思いますね！ (10月16日 22時) (
レス) id: 18fafb8a30 (このIDを非表示/違反報告)
ミア - ステージ・インプレイスルランド 〜踊る人形と幻の遊園地〜。見ましたか！？何もかもやばかったですね！開始が待ち遠しいです！この小説の夢主がどのようなことをするのか楽しみです！ (10月16日 20時) (レス) @page31 id: e7ce89d83f (このIDを非表示/違反報告)
ブロッサム(プロフ) - ありがとうございます！ (9月10日 20時) (レス) id: b52f0561ce (このIDを非表示/違反報告)
ユノン - 更新はゆっくりでいいですよ (9月10日 18時) (レス) id: f5fff43cec (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ブロッサム | 作成日時：2023年8月14日 17時
