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EPISODE7-72 進言ヴァンガード! ページ26

料理人夫婦に言われた通り、上の階に来た私たち。
静かな廊下を歩く中、グリムは不服そうにぼやく。

「あーあ、セベクが急かすからデザート食い損ねたんだゾ〜」
「貴様、ちゃっかりスープを2回もおかわりしておきながら……!」
「あ、デザートなら私が食べたわよ。木苺の果肉とシロップがたっぷり入ったケーキで、とっても美味しかったわ」
「にゃにー!?ずりーんだゾ!」
「貴様も貴様でちゃっかりしているな!」

指先についたシロップを舐めていると、グリムは羨ましがり、セベクはさらに呆れている。
でも、あのデザート本当に美味しかったわ……今度作ってみよう。

「料理人たちが言っていた物置はこの辺りのはずだが……。ん?」
「どうした、急に立ち止まって」
「この鳴き声は……」

シルバー先輩は近くのドアを開くと、そこには木製の鳥籠に入った梟や白鳩がたくさんいた。

「なんだこの部屋?鳥がいっぱいいるんだゾ」
「そうか。この時代の人間は、遠方とのやりとりに鳩や梟を使っていたはず」
「でもこの子たち、ちょっと苛立ってない?」

私たちが近付くと、梟は激しく鳴いた。

「ひどく腹を空かせているようだ。もらったパンを少しわけてやろう」

シルバー先輩が鳥たちにパンをやると、嬉しそうに鳴きながら啄んだ。

「チッ、鳥に餌などやっている場合か。早く箒を見つけて……はっ!」
「?どうしたのよ、急に固まって」
「待てよ、この鳥……使えるのではないか?」
「えぇ?コイツら、みんなシュッとしてて食ってもウマくなさそうなんだゾ」
「セベク、まさかこの子たちを食べる気なの!?」
「そういう意味ではない!」

じょ、冗談よ。
そんなに怒らないでちょうだい。

「おい、シルバー。やたらと動物に懐かれる貴様の特技が役に立つ時がきたかもしれないぞ」
「……え?」

セベクの言葉に、シルバー先輩は首を傾げる。
だけど、その後に語った内容を聞いて、私たちは悪役らしい笑みを浮かべた。

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ブロッサム(プロフ) - 見ましたよ!やばかったです!多分夢主のことですから、フェローを見て(あの人、良い毛皮が取れそう……)と最初に思いますね! (10月16日 22時) (レス) id: 18fafb8a30 (このIDを非表示/違反報告)
ミア - ステージ・インプレイスルランド 〜踊る人形と幻の遊園地〜。見ましたか!?何もかもやばかったですね!開始が待ち遠しいです!この小説の夢主がどのようなことをするのか楽しみです! (10月16日 20時) (レス) @page31 id: e7ce89d83f (このIDを非表示/違反報告)
ブロッサム(プロフ) - ありがとうございます! (9月10日 20時) (レス) id: b52f0561ce (このIDを非表示/違反報告)
ユノン - 更新はゆっくりでいいですよ (9月10日 18時) (レス) id: f5fff43cec (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ブロッサム | 作成日時:2023年8月14日 17時

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