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「……ボウスども、腹減ってんのか?」
「ちが……っ!」
セベクが否定しようとするも、次にグリムのお腹の虫が鳴る。
ぐ〜〜〜きゅるる〜〜〜〜〜と、聞き慣れた音が。
「ふな〜……セベクのせいでオレ様の腹の虫まで騒ぎ出しちまったんだゾ〜。最近ずっと干した肉とか木の実ばっかりだったから……じゅるっ」
「うわ、完全に飢えた獣の顔になってる」
「フン。ならさっさと言えってんだ!お前、パンとベーコンを包んでやれ」
「あいよ」
すると、夫婦は態度を変えていそいそとパンとベーコンを袋に入れるのを見て、セベクは困惑する。
「き、急になんなのだお前たち!?僕は施しをうけるつもりなど……!」
「俺たち料理人は、腹が減ってるヤツに飯を食わせるのが仕事なんだ。ヘンリクどもが急に出ていっちまって、食材が無駄になるところだったし、丁度良いや」
「ふなっ!やった〜!なぁなぁ、おっちゃん。この鍋のスープも飲んでいいか?」
「おう、好きに飲んでけ」
「グリム!貴様、緊張感がなさすぎるぞ!」
「最初にデッケー腹の音鳴らしたヤツに言われたくねーんだゾ〜」
そう言ってグリムがスープを飲んでいる横で、女性が食料を入れた包みを渡してくれた。
「ほら、パンとベーコン……それと飲み水も。妖精の口に合うかはわからないけど、持っていきな」
「ありがとう。恩にきる」
女性から包みを受け取り、お礼を告げるシルバー先輩。
そんな彼を、女性はじっと見つめた。
「…………本当に似てる」
「え?」
「おい、シルバー!無駄口を叩いていないで、さっさと物置の場所を聞け!!」
「あ、ああ」
「物置は上の階の北側だよ」
「わかった。あなたたちは俺たちが去るまで、厨房に隠れていてくれ。驚かせてすまなかった。……どうか元気で」
シルバー先輩がそう言った後、私たちは踵を返して厨房を後にした。
彼らがシルバー先輩の言う通りに従い、厨房のドアの鍵を閉める音を聴きながら。
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ブロッサム(プロフ) - 見ましたよ!やばかったです!多分夢主のことですから、フェローを見て(あの人、良い毛皮が取れそう……)と最初に思いますね! (10月16日 22時) (レス) id: 18fafb8a30 (このIDを非表示/違反報告)
ミア - ステージ・インプレイスルランド 〜踊る人形と幻の遊園地〜。見ましたか!?何もかもやばかったですね!開始が待ち遠しいです!この小説の夢主がどのようなことをするのか楽しみです! (10月16日 20時) (レス) @page31 id: e7ce89d83f (このIDを非表示/違反報告)
ブロッサム(プロフ) - ありがとうございます! (9月10日 20時) (レス) id: b52f0561ce (このIDを非表示/違反報告)
ユノン - 更新はゆっくりでいいですよ (9月10日 18時) (レス) id: f5fff43cec (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ブロッサム | 作成日時:2023年8月14日 17時