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2人は不可解な顔をしていたが、私たちは気付いた。
たとえこの世界が夢でも、リリアさん――いや、リリア先輩にとってシルバー先輩は、大切な息子なのだと。
覚えていなくても、それでも息子を守りたいという父としての本能が動いた。
それをわかっていないのが、ちゃんと伝えられないのが、ひどくもどかしかった。
「いいか、小僧ども。『勝った』と思った瞬間が一番の隙だ。覚えとけ」
「はい……ッ!」
「情けねえツラすんじゃねぇ。薬は飲んだ。しばらく休みゃ、動けるようになる」
そう言ったリリアさんはそっぽを向いたが、シルバー先輩は目の縁に涙を浮かべていた。
その理由はきっと、私が思ったのと同じだ。
「……ギャオゥッ!ギャオウウッ!」
「何だと!?ヘンリクも『夜明けの騎士』も、この砦にいない!?」
「…………マズいな、これは……」
砦を見回った近衛兵の報告に顔色を変えた瞬間、最悪の報せが舞い込んできた。
「キシャ―――ッ!」
「伝令!戻ったか!」
「ギャギャーッ!!シャーッ!」
「な、なんてことだ……!」
伝令と行かせた近衛兵が戻り、報告を聞いた直後、バウルさんは重々しい口調で告げる。
「右大将殿、申し上げます!野ばら城が……野ばら城が、ヘンリクと『夜明けの騎士』率いる『銀の梟』どもに包囲されております!」
「「なっ……!」」
「…………ッ!」
「最悪ね……」
きっとこの瞬間が、この夢のターニングポイント。
永遠に変わることのない、最悪の未来が訪れを告げる音が鳴った。
とある騎士と魔女の会話→←EPISODE7-68 深層ファーザー!
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ブロッサム(プロフ) - 見ましたよ!やばかったです!多分夢主のことですから、フェローを見て(あの人、良い毛皮が取れそう……)と最初に思いますね! (10月16日 22時) (レス) id: 18fafb8a30 (このIDを非表示/違反報告)
ミア - ステージ・インプレイスルランド 〜踊る人形と幻の遊園地〜。見ましたか!?何もかもやばかったですね!開始が待ち遠しいです!この小説の夢主がどのようなことをするのか楽しみです! (10月16日 20時) (レス) @page31 id: e7ce89d83f (このIDを非表示/違反報告)
ブロッサム(プロフ) - ありがとうございます! (9月10日 20時) (レス) id: b52f0561ce (このIDを非表示/違反報告)
ユノン - 更新はゆっくりでいいですよ (9月10日 18時) (レス) id: f5fff43cec (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ブロッサム | 作成日時:2023年8月14日 17時