EPISODE7-67-22 面倒見の良いバウル ページ2
いくら夢とはいえ、国を横断する旅は女子高校生にはかなりきつい。
おかげで息を切らしている私に、シルバー先輩が声をかけてくる。
「A、大丈夫か？だいぶ疲れた顔をしている」
「すみません……さすがにきつくて……」
「ふなぁ、オレ様もヘトヘトなんだゾ……」
「ふん、鍛え方が足りん！」
「だが、他の者にも疲れが見える。ヴァンルージュ殿に休息を進言しよう」
その直後だ。
頭上で何かが巨大なものが飛んできた。
「危ないッ！」
すぐさまシルバー先輩が私とグリムを抱えて横に飛び、セベクが反対側に飛ぶ。
激しく土煙が立ち込める中、ガシャガシャと鉄が擦り合わせる音が聞こえてきた。
これは、『鉄の者』の鎧の音！
「貴様ら、近隣を荒らしているという妖精だな！」
「砦にいかせはしないぞ！！」
「違う、俺たちは……！」
「話の通じる相手ではなさそうだ。眠ってもらおう！」
「そうね。ったく、見境のない奴らね！」
そうして、私たちは魔法で『鉄の者』を倒していく。
この時代では魔法を使える人間は少ないらしく、たった4人でも鎮圧できた。
「フン！たわいもない。お前たち、怪我はないか」
「おう、大丈夫なんだゾ」
「こっちも平気」
互いの無事を確認し合っていると、背後でリリアさんとバウルさんが私たちを見ながら言った。
「へぇ。あのデカいほうの人間、いい動きをするようになってきたじゃねぇか。なあバウル？」
「我が国最強たる右大将殿が、目の前で手本を見せてくださっているのです。成長は当然かと」
「でもあの戦い方……俺というよりお前を手本にしているように見えるがな。知ってるんだぜ。後ろをちょろちょろついて回るセベクを、お前が気にかけてやってることは」
「な、何をおっしゃいます！あれは、他の近衛兵の邪魔にならないよう見張っているだけで……私が人間を気にかけるなど、ありえません！！」
「はいはい、そういうことにしておいてやるよ」
2人の会話はほぼ丸聞こえで、私たちは小さく笑い合った。
……とりあえず、セベクはその締まらない顔を戻しなさい。
ちょっと……うん、アレだから。
EPISODE7-67-23 争いの連鎖→←EPISODE7-67-21 生き残り
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 62人がお気に入り
お気に入り作者に追加
「ツイステ」関連の作品
この作品を含むプレイリスト ( リスト作成 )
この作品を含むプレイリスト 
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ブロッサム(プロフ) - 見ましたよ！やばかったです！多分夢主のことですから、フェローを見て（あの人、良い毛皮が取れそう……）と最初に思いますね！ (10月16日 22時) (
レス) id: 18fafb8a30 (このIDを非表示/違反報告)
ミア - ステージ・インプレイスルランド 〜踊る人形と幻の遊園地〜。見ましたか！？何もかもやばかったですね！開始が待ち遠しいです！この小説の夢主がどのようなことをするのか楽しみです！ (10月16日 20時) (レス) @page31 id: e7ce89d83f (このIDを非表示/違反報告)
ブロッサム(プロフ) - ありがとうございます！ (9月10日 20時) (レス) id: b52f0561ce (このIDを非表示/違反報告)
ユノン - 更新はゆっくりでいいですよ (9月10日 18時) (レス) id: f5fff43cec (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ブロッサム | 作成日時：2023年8月14日 17時
