EPISODE7-60-1 実力をみせよ ページ47
「右大将殿。物見の『草』より伝達が」
「この先に『鉄の者』あり、だろ？もう鉄と油の匂いがぷんぷんしてやがる」
『草』と呼ばれた偵察隊からの報告に、リリアさんは嫌そうな声で言う。
「右大将殿が出るまでもありません。私が露払いを」
「それもいいが……おい、人間ども」
「はい」
「早速だが、ナイトレイブンカレッジの魔法士の実力とやらを見せてもらおうか」
「なっ！？」
突然のご指名に、私たちではなくバウルさんが驚く。
「この先に『鉄の者』がうろついてる。お前たちだけで捕えてみせろ。1匹も逃がすなよ。野営地への奇襲が台無しになるからな」
「「「「はっ！」」」」
ちょっと聞き捨てならないセリフが聞こえたが、それよりも早く私たちは『鉄の者』を襲う。
彼らは梟の刻印が入った鎧を着ており、一目見てその名の通りだと思った。
私たちが魔法を使うと、彼らは一斉に怯え弱腰になる。
「うわあ！なんだこいつら！？」
「ひぃっ！魔法使いだ！助けてくれぇ！」
「ふなっ！アイツら逃げ出したぞ！」
「待て、貴様ら！敵に背を向けるとは、腰抜けどもめ！」
「それより早く捕まえないと！ここは私のユニーク魔法で……！」
すぐさま野薔薇に手をかけようとした時、大量の蝙蝠たちが『鉄の者』の行方を阻むと同時にリリアさんが現れる。
「チッ、1匹も逃がすなと言っただろうが！」
「ひぃっ！！妖精だ！ならず者の妖精が出たぞ！」
「ならず者はどっちだ。シャァアッ！」
妖精語を発しながら、リリアさんは魔石器を振るう。
目にも止まらぬ速さで気絶させた『鉄の者』を見て、彼は鼻で笑う。
「……フン、雑魚が」
「おやじ……いや、ヴァンルージュ殿。俺たちの力及ばず、手を煩わせてしまいました。申し訳ありません」
「ハッ。蹴散らすところまではよかったが、詰めが甘ぇな」
シルバー先輩が頭を下げていると、荷車を見ていたバウルさんが報告する。
「右大将殿。奴らの荷車に食料や燃料が」
「もとは俺たちのもの。返してもらおう。捕らえた『鉄の者』は、風鳴き渓谷の先へ追放しろ！」
「「「ギャギャ――ッ！！」」」
戦士たちによって『鉄の者』が運ばれるのを見ながら、私たちは彼らの野営地へ向かった。
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ブロッサム(プロフ) - 単純にルナ(月)＋ティア(涙)を合わせただけです！ (7月4日 21時) (
レス) id: b52f0561ce (このIDを非表示/違反報告)
ミア - 以前から気になっていましたが、ルナティアの由来はなんですか？ (7月4日 21時) (レス) @page37 id: 2608239bf3 (このIDを非表示/違反報告)
ブロッサム(プロフ) - また誤字報告ありがとうございます (6月17日 18時) (レス) id: b52f0561ce (このIDを非表示/違反報告)
ミア - あと、同じ27ページのグリムのセリフの最後の辺りが混雑してますが… (6月17日 18時) (レス) @page27 id: dde337a564 (このIDを非表示/違反報告)
ブロッサム(プロフ) - 誤字報告ありがとうございます (6月17日 18時) (レス) id: b52f0561ce (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ブロッサム | 作成日時：2023年6月7日 0時
