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EPISODE7-58 修練イグザード! ページ40

静寂な森の中で、激しいぶつかり合いが起きて、火花が散る。
伸縮自在な魔石器を振るう右大将、それに対抗するシルバー先輩とジグボルトくん。
あまりの素早さに、私とグリムは追いつけない。

「ひぃ、はぁ……アイツ、なんてすばしっこいんだゾ!オレ様の魔法が全然当たらねぇ!」
「でも、あの2人はついていけてるわ!」

目の前の戦闘は、きっと戦士たちも驚いているだろう。
右大将と謳われている彼に、人間2人が拮抗しているのだから。

「この太刀筋、身のこなし……そしてあの魔石器!まさか僕たちの前にいるのは……!」
「お前も気づいたか、セベク。そうだ。おそらく、この方は……!」

必死に防御に徹する2人の会話に、右大将が間に入る。

「どうした?大きな口を叩いたくせに、その程度か!」
「くっ……!セベク、俺が切り込む!!その隙に背後に回れ!」
「僕に指図するなッ!せやぁあッ!」

シルバー先輩が右大将を足止めし、その隙にジグボルトくんが間合いに入る。
だけど、その動きはお見通しなのか右大将はすぐさまその場から離れる。

「あぁッ、惜しい!」
「なんの、まだまだ!炎よ!」

ジグボルトくんが魔法を放ち、辺りが炎で包まれる。
それでも右大将は火の中を走った。

「遅い!背中ががら空きだ!」
「ぐはっ!」

右大将の魔石器が、ジグボルトくんの体にめりこむ。
しかし、その時彼の口元が微かに上がった。

「――光よ!」
「なっ!いつのまに死角に……」
「今だ!うぉおお―――っ!」
「はぁああっ!!」

シルバー先輩の不意打ちに怯んだ隙に、2人の攻撃が入る。
2人の警棒の先が、右大将の面に当たった。

「「はぁ、はぁっ……!」」

荒い息を吐く2人の前で、右大将の顔が晒される。
だけど、それを見た瞬間、私たちは息を呑む。

「「「!!!!!」」」」
「うそ……」

髪の長さも、メッシュの色も、知っているものとは違う。
だけど、その顔は――私たちがよく知る、リリア先輩のものだった。

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ブロッサム(プロフ) - 単純にルナ(月)+ティア(涙)を合わせただけです! (7月4日 21時) (レス) id: b52f0561ce (このIDを非表示/違反報告)
ミア - 以前から気になっていましたが、ルナティアの由来はなんですか? (7月4日 21時) (レス) @page37 id: 2608239bf3 (このIDを非表示/違反報告)
ブロッサム(プロフ) - また誤字報告ありがとうございます (6月17日 18時) (レス) id: b52f0561ce (このIDを非表示/違反報告)
ミア - あと、同じ27ページのグリムのセリフの最後の辺りが混雑してますが… (6月17日 18時) (レス) @page27 id: dde337a564 (このIDを非表示/違反報告)
ブロッサム(プロフ) - 誤字報告ありがとうございます (6月17日 18時) (レス) id: b52f0561ce (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ブロッサム | 作成日時:2023年6月7日 0時

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