眠れる島の魔女 ページ20
どれほど歩いただろうか。
ルナティアはたまに襲いかかる眠気と戦いながら、ナイトレイブンカレッジに向かう。
ゴーストも喋る絵画も眠りにつき、敷地内はひどく静かだ。
普段なら賑やかな生徒の声と、教師の怒声が飛び交っているのに。
「まさに異世界って感じね」
コツコツと靴音を鳴らしながら、メインストリートで立ち止まる。
グレート・セブンとして憧憬を集めている
彼らの結末を知っている身としては、複雑な気持ちになる。
「まったく、ここの生徒たちはあなたたちにそっくりね。どいつも我が強すぎて、好き勝手にやる。あなたたちの精神の色を持っているだけあるわ」
くすくすと笑いながら、ルナティアは茨の魔女の石像の前に立ち止まる。
最後に見た姿を一寸違わず模したそれを見て、魔女は苦笑を浮かべた。
「ドラコニアの子は、本当にあなたにそっくりね。目的のためならなんでもする。まさに悪の鑑。……でも、あの子はそんなに甘くないわよ。どんな手を使ってでも、きっとこの領域を全部壊して元通りにしてみせるわ」
自分の死後、『虹の愛し子』に近い性質を持った子は何度か生まれた。
しかし魔法がない世界だったが故に、その力を発揮しないまま時間だけが過ぎた。
そのせいなのか、Aの力は全盛期のルナティアとほぼ互角だ。
きっと、マレウスにだって勝ってみせる。
「楽しみね、マレフィセント。あなたの精神を継ぐ子と、私の血を継ぐ子。一体どっちが勝つのかしら？」
世界の危機なのは変わりないが、これから訪れる戦いが楽しみで仕方ない。
酷薄な笑みを浮かべながら、ルナティアはステップを踏むようなメインストリートを後にした。
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ブロッサム(プロフ) - 単純にルナ(月)＋ティア(涙)を合わせただけです！ (7月4日 21時) (
レス) id: b52f0561ce (このIDを非表示/違反報告)
ミア - 以前から気になっていましたが、ルナティアの由来はなんですか？ (7月4日 21時) (レス) @page37 id: 2608239bf3 (このIDを非表示/違反報告)
ブロッサム(プロフ) - また誤字報告ありがとうございます (6月17日 18時) (レス) id: b52f0561ce (このIDを非表示/違反報告)
ミア - あと、同じ27ページのグリムのセリフの最後の辺りが混雑してますが… (6月17日 18時) (レス) @page27 id: dde337a564 (このIDを非表示/違反報告)
ブロッサム(プロフ) - 誤字報告ありがとうございます (6月17日 18時) (レス) id: b52f0561ce (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ブロッサム | 作成日時：2023年6月7日 0時
