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「ほら。パパもなにか言ってやって!」
「……オルト。これは、本来『S.T.Y.X.(わたしたち)』や魔法機動隊(マジカルフォース)が対処すべき問題だ。お前が自分の危険を晒してまで、あの島へ向かう必要はない。いいんだ……行かなくても」
「父さん……。ありがとう。ヒューマノイドの僕を、本当の家族のように扱ってくれて。すごく嬉しい。でも僕はもう、あなたたちが大切な息子を失うところは見たくない。
 僕にしかできないことなんだ。だから、行くよ。そして、必ず兄さんを救ってみせる。これは僕の……僕“たち”の意志だ」

あの日のことは、イデアだけでなくこの2人にも深い傷を残した。
血を分け、お腹を痛めて産んだ息子を失う痛みは、きっとオルトが想像した以上に辛い。

それなのに、最初のオルトの姿をした自分を家族として接してくれた2人には感謝している。
だからこそ、この2人がまた悲しむ目に遭うのは見たくない。

「「………………」」

オルトも、今も『冥府』にいるオルトと同じ気持ちだ。
だからこそ、2人は何も言わなかった。

「オルくん。あなただって私たちの大切な息子の1人だよ。約束して。必ず無事に戻ってくるって」
「……うん。約束する」
「じゃあ、みんなでハグしましょう。誓いのハグよ」

そう言って、3人はハグを交わし合う。
決して約束を違えないように、固く、強く。

「「「……………………」」」

本当ならずっとこうしていた。
だけど、オルトの覚悟を無駄にしないよう、2人はそっとオルトから離れた。

「へへっ、充電満タン!さあ、早く出発しよう。兄さんが待つ、賢者の島へ!」

晴れ晴れした笑顔で、オルトは賢者の島へ向けて飛んで行った。

眠れる島の魔女→←*



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ブロッサム(プロフ) - 単純にルナ(月)+ティア(涙)を合わせただけです! (7月4日 21時) (レス) id: b52f0561ce (このIDを非表示/違反報告)
ミア - 以前から気になっていましたが、ルナティアの由来はなんですか? (7月4日 21時) (レス) @page37 id: 2608239bf3 (このIDを非表示/違反報告)
ブロッサム(プロフ) - また誤字報告ありがとうございます (6月17日 18時) (レス) id: b52f0561ce (このIDを非表示/違反報告)
ミア - あと、同じ27ページのグリムのセリフの最後の辺りが混雑してますが… (6月17日 18時) (レス) @page27 id: dde337a564 (このIDを非表示/違反報告)
ブロッサム(プロフ) - 誤字報告ありがとうございます (6月17日 18時) (レス) id: b52f0561ce (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ブロッサム | 作成日時:2023年6月7日 0時

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