EPISODE7-38 漠然ストレンジネス ページ36
No side
ヴ――ッ、ヴ――ッ。
スマホのバイブが震える。
「………………すー、すかー……」
静かな寝息を立てるイデアだったが、何度も聞こえるバイブに辟易しながらスマホを手に取る。
「…………んんっ、っるっさいなぁ……誰だよ」
そのまま着信ボタンをタップすると、
『あー、やっと出た。おーい、もう朝だよ』
どこかで聞いたことのある声が電話口から出てきた。
「……あんた誰……？」
『誰って……実の弟のこと忘れたの？僕だよ、オルト』
「オルト？オルトなら僕の部屋に……ん？」
布団から出て、部屋を見渡す。
周りを見渡すと、いつもの自分の部屋の風景が広がっている。
寮長のみに与えられる、一人部屋が。
「あれ……？」
『兄ちゃん、僕たちが同じ子ども部屋使ってたのなんて何年前だと思ってんの？寝ぼけすぎ』
「いや、オルトとは一緒にナイトレイブンカレッジに………ん？んん？オルト、お前今どこにいるの？」
『は？どこって……ロイヤルソードアカデミーだよ。今日は入学式で、僕は新入生！ナイトレイブンカレッジも今日が入学式なんでしょ？』
入学式と言われ、寝起きでぼんやりしていたイデアの頭が冴えてくる。
『兄ちゃんも今日は寮長としての初仕事だから、絶対に寝坊できないって、僕にモーニングコール頼んできたんじゃん』
「そ……そうだっけ？そう、だったかも」
『学校は違うけど、僕も兄ちゃんと同じ賢者の島の学校に通えて嬉しいよ』
「そっか。オルトが、高校生か……」
小さかった弟が、自分と同じ高校生になる。
兄として、感慨深いところがある。
『あはは！なに父さんと母さんみたいなこと言ってるの？もう切るけど……2度寝すんなよ！じゃあね！』
それだけ言って、電話を切られる。
そしてベッドから出て、イデアは肩を軽く回す。
「うーん。昨日の夜ゲームに熱中しすぎたせいか、まだ頭がぼんやりしてるな。ていうか、僕なんでオルトにモーニングコールなんか頼んだんだろ？うちの学校入学式が始まるの、夜なのに。
……まぁ、いっか。オルトがついに高校生になっためでたい日なんだし。入学式が始まるまで、何して時間潰そうかな。………………今のうちにゲームのデイリー消化しとこ」
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ブロッサム(プロフ) - 誤字報告ありがとうございます！ (6月1日 14時) (
レス) id: b52f0561ce (このIDを非表示/違反報告)
ミア - 訂正があります。42ページの【森】が【盛り】になっていました。 (6月1日 13時) (レス) @page42 id: 7e57969e52 (このIDを非表示/違反報告)
ブロッサム(プロフ) - ああ、確かに似てますね！ (5月29日 16時) (レス) id: b52f0561ce (このIDを非表示/違反報告)
ミア - 来ました！更新！メインストーリーを読んでいると、鬼滅の刃無限列車編みたいだなぁと思いました。 (5月29日 14時) (レス) @page35 id: 7e57969e52 (このIDを非表示/違反報告)
ブロッサム(プロフ) - 来ましたね！更新が再来週の月曜日になりますが、しばらくお待ちください。 (5月20日 16時) (レス) id: b52f0561ce (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ブロッサム | 作成日時：2023年3月11日 2時
