＊ ページ29
「……あっそ。ま、オレらだってお前みたいなヤツとは絶対仲良くしたかないけどね」
「お前、先輩の顔に泥塗ってんのに気づいてないのか？」
「フン。不必要なものを不必要と言ってなにが悪い。リリア様はお優しいから、お前たちのような下々の者にも礼を尽くしてくださっているだけだ。ありがたく思え。そして思い上がるなよ、人間！」
「………………なんでそうなるのよ」
ジグボルトくんの言葉は、本人の考えとはかけ離れているほど歪曲している。
たしか……月虹の魔女の記憶だと、彼の祖父は……。
「これ！いい加減にせんか、セベク！」
「し、しかし……むぅ……」
「まったく。幼い頃からバウルによく懐いていたとは聞いていたが……本当に喋り方から考え方までお主の祖父に生き写しじゃ。その若さでこうも頭が固くては、先が思いやられるぞ」
ああ、そうだ。バウルって名前だった。
昔、茨の谷の女王の戴冠パーティーで、月虹の魔女はお祝いとした手作りケーキを贈呈しようとしたけど、怪しいと言って窓から投げ捨てた。
結果、月虹の魔女は大泣きしながら魔法でバウルを凍らせて砕こうとした。
その後は女王が宥めてくれたおかげで、彼は一命を取り留めた。
……なるほど、こうして見ると、ジグボルトくんはとても彼と似ている。
「せっかく自分とは違う考えを持つ若者たちと触れ合う機会を得たのだ。それを無駄にするな。お前が考えるより世界は広く、学ぶべきものは多くある。自ら世界を狭めるでない。よいか？」
「リリア様……はい。申し訳ありません。そのお言葉、しかと胸に刻みます」
リリア先輩の言葉に、ジグボルトくんは落ち込みながら頷く。
「…………………………………。フンッ！」
しかし、私たちの顔を見て、荒く鼻息を吐いた。
「駄目だこりゃ。リリア様のお言葉全然心に刻めてねーじゃん」
「前途多難ね……」
ジグボルトくんの様子に誰もが肩を竦めていると、
「ヴァンルージュくん。お話し中失礼しますよ」
学園長が話しかけてきた。
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ブロッサム(プロフ) - 誤字報告ありがとうございます！ (6月1日 14時) (
レス) id: b52f0561ce (このIDを非表示/違反報告)
ミア - 訂正があります。42ページの【森】が【盛り】になっていました。 (6月1日 13時) (レス) @page42 id: 7e57969e52 (このIDを非表示/違反報告)
ブロッサム(プロフ) - ああ、確かに似てますね！ (5月29日 16時) (レス) id: b52f0561ce (このIDを非表示/違反報告)
ミア - 来ました！更新！メインストーリーを読んでいると、鬼滅の刃無限列車編みたいだなぁと思いました。 (5月29日 14時) (レス) @page35 id: 7e57969e52 (このIDを非表示/違反報告)
ブロッサム(プロフ) - 来ましたね！更新が再来週の月曜日になりますが、しばらくお待ちください。 (5月20日 16時) (レス) id: b52f0561ce (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ブロッサム | 作成日時：2023年3月11日 2時
