EPISODE7-30 失敗クエスト！ ページ19
ディアソムニア寮の談話室は、リリア先輩のお別れ会のために集まった生徒と学園関係者で溢れ返っていた。
みながそれぞれ料理をつまみながら、リリア先輩に話しかける中、ふわーっと入ってきたオルトは周りを見渡してきた。
「わあ……すごい人。ホールから談話室まで開放して、とても盛大なパーティーだな。来てないのは兄さんくらいだったりして……」
「あっ、オルト！こっちこっち」
ぶつぶつと呟くオルトに、エースが手招きしながら呼びかける。
彼らの手には料理を持った皿を持っていて、私の手にはベリージュースが入ったグラス。
甘酸っぱいそれで喉を潤していると、オルトは私たちのほうにやってくる。
「みんなも参加してたんだね」
「もぐもぐ……おせーんだゾ、オルト！このうんまい肉料理、もう無くなっちまったんじゃねーか？」
「グリム、いくらなんでも食べすぎよ。おかげで食欲なくしたわ……」
「ふふっ。ありがとう。僕にエネルギーの経口摂取は必要ないから大丈夫」
山のように持った料理にがっつくグリムに呆れていると、デュースがオルトに訊く。
「随分来るのが遅かったな。何かあったのか？」
「兄さんをこのパーティーに連れ出す高難易度クエストにトライしてたんだよ」
「なるほどー。で、その様子を見るにクエストクリアならずってカンジ？」
「今日はいつにもまして防御力が固かったね」
「防御力というか引きこもり力じゃない？」
あの人の引きこもりっぷりはかなりのものだ。
でも、いくら接点はなかったとはいえ、仮にも同級生の送別会に来ないなんて少し薄情な気がする。
「昨日ショックなことがあったせいか、どうしても参加する気になれないんだってさ」
「ショックなことって？」
「実は、兄さんがずっと仲良くしてたネトゲ友だちが引退しちゃったんだ。オフでの連絡先も一切交換してなかったみたいで。すっぱり縁が切れちゃったって落ち込んでた」
「え……ずっと仲良くしてたのに、今まで連絡先を知らなかったのか？」
「付き合いが長いのにお互いの連絡先や素性を知らないなんて、ネット上ではよくあることだよ。特に兄さんはゲーム用のマジカメアカウントではプライベートなことは一切話さないし……相手の人も同じだったみたいで。だからこそ兄さんと気が合ったんじゃないかな」
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ブロッサム(プロフ) - 誤字報告ありがとうございます！ (6月1日 14時) (
レス) id: b52f0561ce (このIDを非表示/違反報告)
ミア - 訂正があります。42ページの【森】が【盛り】になっていました。 (6月1日 13時) (レス) @page42 id: 7e57969e52 (このIDを非表示/違反報告)
ブロッサム(プロフ) - ああ、確かに似てますね！ (5月29日 16時) (レス) id: b52f0561ce (このIDを非表示/違反報告)
ミア - 来ました！更新！メインストーリーを読んでいると、鬼滅の刃無限列車編みたいだなぁと思いました。 (5月29日 14時) (レス) @page35 id: 7e57969e52 (このIDを非表示/違反報告)
ブロッサム(プロフ) - 来ましたね！更新が再来週の月曜日になりますが、しばらくお待ちください。 (5月20日 16時) (レス) id: b52f0561ce (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ブロッサム | 作成日時：2023年3月11日 2時
