* ページ34
No side
ディアソムニア寮に充満したブロットの瘴気が、黒い茨となって姿を変える。
それらは鏡舎から漏れ出し、ナイトレイブンカレッジ中に茨が巻き付く。
しかしそれが学園敷地内に留まらず、ロイヤルソードアカデミー……いや、賢者の島とその近海を茨による結界で覆う。
場所は戻り、ディアソムニア寮では一つの緑の光が妖精のように飛び回る。
その光から漏れ出す光の雨を浴びて、誰もが眠りにつく。
生徒にも、教師にも、魔獣にも、魔導ヒューマノイドにも等しく。
「スー、スー……」
「ぐー、ぐー……」
「スー……スー……」
「ふふふ……はははははは!!」
寝息を立てて眠る3人を見て、マレウスは感極まったように高笑いする。
彼の姿は寮服姿から、禍々しい王者の恰好に変わる。
黒の紫を基調としたマントを羽織り、茨を模した衣装を身に纏う。
トレードマークの角の溝から黄緑色に発光し、露わになった額にはレースのような模様が浮かび上がる。
両目の目元にはウロコを模した模様が浮かび、左目からは一筋の涙のようにブロットが流れる。
そして、右目には黄緑色の火が灯っていた。
「大丈夫………恐れることなどなにもない。眠りに身を委ねれば、1000年など瞬きのうちだ」
また新たに茨を生やしながら、マレウスは告げた。
『お前たちは――御伽話の主人公になる』
そして、流れるのはゆったりとしたマレウスの鼻歌。
夢の中で出会った運命の人に出会うことを願う少女の歌が、虚しくディアソムニア寮に響き渡った――――。
無限の夢の牢獄→←EPISODE7-37 強制ゲームオーバー!
101人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ブロッサム(プロフ) - 誤字報告ありがとうございます! (6月1日 14時) (レス) id: b52f0561ce (このIDを非表示/違反報告)
ミア - 訂正があります。42ページの【森】が【盛り】になっていました。 (6月1日 13時) (レス) @page42 id: 7e57969e52 (このIDを非表示/違反報告)
ブロッサム(プロフ) - ああ、確かに似てますね! (5月29日 16時) (レス) id: b52f0561ce (このIDを非表示/違反報告)
ミア - 来ました!更新!メインストーリーを読んでいると、鬼滅の刃無限列車編みたいだなぁと思いました。 (5月29日 14時) (レス) @page35 id: 7e57969e52 (このIDを非表示/違反報告)
ブロッサム(プロフ) - 来ましたね!更新が再来週の月曜日になりますが、しばらくお待ちください。 (5月20日 16時) (レス) id: b52f0561ce (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:ブロッサム | 作成日時:2023年3月11日 2時