＊ ページ47
「フン。それがどうしたっていうの？たとえ汚泥にまみれ、老いて痩せさらばえた姿になったとしても……今このとき、アタシは世界で最高に美しい」
「「「…………！！」」」
「ヴィル……」
ここまで変わったというのに、彼の美しさと強さは健在だ。
もし、美しき女王も彼のような強さを持っていたなら、別の未来があったのだろうか……。
「さあ、イデア。自分がしでかしたことの落とし前をつけてもらうわ」
「………………わかったよ。僕たちの負けだ」
諦めたため息を吐きながら、イデア先輩は『冥府』の門が見下ろせる場所に行く。
「……………………。『ゲーム・セット・マッチ……
彼のユニーク魔法が発動し、『冥府』の門は徐々に閉じられていく。
そこから漏れる嘆きの声は、まるで門を閉じるのを拒むような響きをしていた。
「『冥府』の門が……閉じていく」
「……アンタを追いかけて『冥府』に落ちていく途中、崩れていくオルトの巨体からアンタとグリムが分離されたの。だからふたりを救い出すことができた」
「どうしてかは……それこそ野暮ってものよね」
「『兄ちゃんはまだこっちへ来ちゃダメ』…………か」
あの場所での言葉を思い出し、イデア先輩は嬉しそうな悲しそうな複雑な笑みを浮かべた。
「………………いつかまたね、オルト」
その言葉と共に、『冥府』の門は完全に閉じられる。
その時、ふと私の視界の端で何かが横切った。
(あれは……鳥？)
イデア先輩の髪を彷彿とさせる、青い炎の鳥。
それが羽音を出さず、まるでゴーストのように消えていく。
突然現れ消えた鳥は何故か私以外誰も気付いていなくて、みんな一斉に疲れた顔をした。
「これでようやく一段落……か。やれやれだ」
「そうですね。これで『冥府』から溢れ出すブロットは食い止めることができた。あとは……」
「イデア、次は急いで『ケルベロス・システム』を……うっ！」
ヴィル先輩が次の要求をしようとした直後、彼の身体が崩れる。
「「「ヴィル！/ヴィルサン！/ヴィル先輩！」」」
そのまま階段に倒れ込む彼の元へ、私たちは急いで駆け寄った。
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ブロッサム(プロフ) - すみません、非公開になってました！公開したのでぜひお読みください！ (2022年10月14日 8時) (
レス) id: d595bb7c63 (このIDを非表示/違反報告)
名無し - 初コメ失礼します！失礼な質問ですが、今公開されてる76、78の間のepisode77が公開されてないと思うのですが非公開になってますか？ (2022年10月14日 5時) (レス) id: d8e7150bd9 (このIDを非表示/違反報告)
ブロッサム(プロフ) - 誤字報告ありがとうございます！ (2022年9月13日 8時) (レス) id: c6af79d659 (このIDを非表示/違反報告)
シャリファ(プロフ) - 初コメ失礼します！すみません。アズールの「グリムさん」が「グリムだん」になってます。 (2022年9月13日 7時) (レス) @page1 id: d94d66ff3c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ブロッサム | 作成日時：2022年9月12日 22時
