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『スター・ローグ』の決め台詞を言うオルトに、シュラウド先輩は悲し気に顔を歪ませた。
『………そうだよ。ヒヒッ！クロノス軍も、ファントムも、今のオルトならイチコロだ。今のオルトなら、ヒーローにだって…………フヒッ、ヒッ……ううっ、うう………』
『前頭前野が活発化し、自律神経が乱れています。適度な休息をとることを推奨します』
きっと、彼だってわかっている。
どれほど完璧に造っても、このオルトはいなくなったオルトではないくらい。
マシンガンの如く喋り、座り込んで嗚咽を漏らすシュラウド先輩。
それをオルトは機械的な言葉を発するだけだった。
――僕は、どこで間違えたのかな。
――あの日、冒険に行かなければ……
――いや、その前にヒーローに憧れなければ……
――そもそも、シュラウド家に生まれなければ……？
子どもは家を選べない、とは言ったものだ。
彼もレオナ先輩とジャミル先輩と同じように、家によって生き方を縛られた。
さらに、弟を失うという悲劇。
これ以上にないほど、彼の生きた時間で生まれた傷は深い。
――もしも。
――もしも僕らが普通の家に生まれていたら……
――友だちとゲームして、冒険して、将来の夢を語り合って……
――いつか本当のヒーローになれたかもしれない。
――どうしてこうなっちゃんだろう？
――僕は……僕たちはただみんなと同じになりたかっただけなのに。
そこでモノローグが終わる。
いつもなら灰色の世界に戻るのに、何故か白い世界にいた。
そして、そこにいたのは――
「――シュラウド先輩と、オルト……？」
いつもなら、ここに来るのは私とオーバーブロットした人だけ。
彼らがいるのは、きっとオルトがファントムになったことが関わっているのだろう。
「――兄ちゃん」
「…………オルト」
オルトの口は露わになっており、今まで見えなかった彼の笑みが見えた。
「僕を追いかけてくれて、ありがとう。嬉しかった。でも、兄ちゃんはこっちへ来ちゃダメだ」
「オルト……どうして？僕もお前と一緒に行くよ。約束したじゃないか」
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ブロッサム(プロフ) - すみません、非公開になってました！公開したのでぜひお読みください！ (2022年10月14日 8時) (
レス) id: d595bb7c63 (このIDを非表示/違反報告)
名無し - 初コメ失礼します！失礼な質問ですが、今公開されてる76、78の間のepisode77が公開されてないと思うのですが非公開になってますか？ (2022年10月14日 5時) (レス) id: d8e7150bd9 (このIDを非表示/違反報告)
ブロッサム(プロフ) - 誤字報告ありがとうございます！ (2022年9月13日 8時) (レス) id: c6af79d659 (このIDを非表示/違反報告)
シャリファ(プロフ) - 初コメ失礼します！すみません。アズールの「グリムさん」が「グリムだん」になってます。 (2022年9月13日 7時) (レス) @page1 id: d94d66ff3c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ブロッサム | 作成日時：2022年9月12日 22時
