EPISODE6-67-19 PTM-735 ページ2
No side
カリカリ……カリカリ……。
収容所になにかを引っ掻く音を聴いて、2人は目の間のケージのところで足を止めた。
「このケージからする音……猫が爪を研ぐ音に似ている。グリムかもしれない。開けてみよう」
「グリムさんって、爪とぎするんですか？」
「ああ。ハーツラビュルの談話室にあるソファで爪をといだ日には、首をはねてやったよ」
「よく猫じゃないと否定していますが、やはり彼は猫なのでは……？」
「猫であろうがなかろうが、ソファで爪とぎをするのは重罪だ！」
アズールの言葉にそう反論するが、今はこんなことをしている場合ではないと再認識した。
「……ハッ、今はそんなことはどうでもいい。開けるぞ！はぁッ！！」
さっさとグリムをケージから出して連れて行こうという気満々で魔法を放ったリドル。
破壊されたケージから出てきたのは、グリムではなく、少女姿のファントムと猫の姿をしたファントムだった。
「ヒヒヒッ！ アタし の コネコちゃン！おサンぽ ノ 時カンよォ！」
「ギィイイィィ！！」
雄叫びを上げたファントムを見て、2人はすぐさま魔法を放つ。
さっきまでのファントムと違い頑丈だったが、それでも2人はそのファントムを倒した。
「おソトに いけル と 思ったのニ……」
「ギ……ギギ……」
少女姿のファントムが猫の姿のファントムを抱き寄せながら消滅する。
そのままブロットとなるのを見届けると、床にＩＤカードが落ちる。
「！！ＩＤカードだ。じゃあ、今のが研究員を襲った個体だったんだね。グリムではなかったか……」
「あのヒト型のファントム……小型の個体を使役しているようでした。ＩＤカードを奪わせ、外に出るつもりだったのかも……」
「ファントムが連携をとることなんか、あり得るのか？」
「忘れたんですか、リドルさん。ファントムはかつて僕らのような“優秀な魔法士”だったんですよ」
元が人間ならば、知能は人並みかそれ以上あっても当然。
獣種や甲殻種などの姿もいたが、あれも元は人間だったモノ。
ならば、力の強いファントムに使役されて生き残ろうという知恵があってもおかしくはない。
「……なるほど。とにかく、ＩＤカードは手に入った。研究員を逃したら、ボクらもすぐにここを出よう」
アズールの言葉の裏を理解したリドルは、そのままＩＤカードを手にして隠れていた研究員を呼びにいった。
EPISODE6-67-20 第3タワー 20話→←EPISODE6-67-19 PTM-278
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ブロッサム(プロフ) - すみません、非公開になってました！公開したのでぜひお読みください！ (2022年10月14日 8時) (
レス) id: d595bb7c63 (このIDを非表示/違反報告)
名無し - 初コメ失礼します！失礼な質問ですが、今公開されてる76、78の間のepisode77が公開されてないと思うのですが非公開になってますか？ (2022年10月14日 5時) (レス) id: d8e7150bd9 (このIDを非表示/違反報告)
ブロッサム(プロフ) - 誤字報告ありがとうございます！ (2022年9月13日 8時) (レス) id: c6af79d659 (このIDを非表示/違反報告)
シャリファ(プロフ) - 初コメ失礼します！すみません。アズールの「グリムさん」が「グリムだん」になってます。 (2022年9月13日 7時) (レス) @page1 id: d94d66ff3c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ブロッサム | 作成日時：2022年9月12日 22時
