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確かに、リリア先輩はかなり大雑把。
こう言ってはなんだが、400年も前に送られた許可証を、きちんと保管などできない。
『ああ……保管していたのはわしではないのだ。入学許可証が届いた当時、わしはバリバリの現役じゃったし……学校なんぞに興味はないと捨ててしまったんじゃ。
だが……わしがビリビリに破いて捨てた紙片をくずかごから拾い、丁寧に修復して王宮の書陵部に預けた奴がいた。貴族のくせにくずかごから物を拾うとは。本当に目ざとい男じゃ……“あいつ”は』
『あいつ？』
『……古い友人だ。今はもう星になってしもうたが……。せっかくの機会じゃ！あやつの分まで学園生活をエンジョイしてやるぞ！』
『……そうだな。4年という短い時間だが、共に楽しもう』
『くう〜〜〜〜ッ！僕もご一緒したかった！僕があと2年早く生まれていれば！待っていてください若様、リリア様！このセベク、必ずや魔法の鍛錬を積み、おふたりと同じナイトレイブンカレッジへの入学を果たしてみせます！』
『ふふ、そうだな。お前やシルバーも学園に来れば、随分賑やかな生活になりそうだ』
『…………ハッ！すみません、今、俺のことを呼びましたか？』
『貴様！ずっと黙っていると思っていれば若様の前で惰眠を貪っていたとは！不敬だぞ！』
この頃から変わらない会話と光景。
それを、リリア先輩は眩しそうに見つめる。
『……………………。『妖精はもっと人間を知り、人間にも妖精を知ってもらうべき』……か。もしやお主は、遠い未来……自分の息子がかの学園に入学することを見通しておったのか？まったく、恐れ入る。竜眼公よ』
そこで、記憶が終わる。
全てを見終わって、セベクは納得した顔をしていた。
「……そうか。リリア様の入学許可証を書陵部に保管させたのは、竜眼公……マレウス様のお父上でいらしたのか」
「もしリリア先輩の言うとおりなら、とんでもない先見の明ね」
「マレウスの母ちゃんは怖いカンジだったけど、もしかすると父ちゃんは優しかったのかもしれねーな」
「…………。……こんなところでもたもたしている時間はない。一刻も早くシルバーの奴を連れ戻し、リリア様と若様のもとへ馳せ参じねば！さあ行くぞ、グリム！A！」
そうして、私たちは『闇』の最奥へと足を進めた。
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ブロッサム(プロフ) - 脱字報告ありがとうございます！ (11月29日 14時) (
レス) id: 2d3621a68f (このIDを非表示/違反報告)
ミア - 訂正があります。今日更新したシルバーのセリフのどうしてのうが抜けてます。 (11月29日 14時) (レス) @page48 id: 1893bd7a09 (このIDを非表示/違反報告)
ブロッサム(プロフ) - 誤字報告ありがとうございます。 (11月19日 15時) (レス) id: b52f0561ce (このIDを非表示/違反報告)
ミア - 訂正があります。36ページのセベクのセリフにある【師弟】が【指定】になってますよ。 (11月19日 15時) (レス) @page36 id: 48a8f87c53 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ブロッサム | 作成日時：2023年10月28日 20時
