EPISODE8-83-11 追憶の幕間2-5 ページ42
『闇』の中を歩く。
靴音も響かない中、あの光が私たちに記憶を見せる。
最初に聞こえてきたのは、セベクのやかましい声だ。
『若様！国外の魔法士養成学校へ入学されるというのは本当ですか！？』
『ああ。先日僕に入学許可証が届いてな。元老院の連中はいい顔をしなかったが……おばあさまが、良い機会だから外の世界を学んで来いと』
それは、ツノ太郎がナイトレイブンカレッジへの入学が決まった日。
私と出会う、ほんの二年ほど前の記憶。
『なんと……！すでに世界に名だたる魔法士の一人であらせられる若様が、民草と同じ学び舎に。若様と共に学園に通える人間は、みな感激に打ち震え涙するに違いありません！して……若様はどんな学園に入学されるのですか？』
『黎明の国のナイトレイブンカレッジだ』
『ナイトレイブンカレッジ！！世界的に有名な名門校ですね。さすがは若様でいらっしゃいます！僕の兄も同校を卒業しました。黎明の国は茨の谷より温暖で、冬でも過ごしやすいと聞いております』
あ、セベクのお兄さんってナイトレイブンカレッジの卒業生なのね。
エースのお兄さんも同じだし……意外といるのかしら？
『しかし、黎明の国とは……英雄の国と陽光の国、珊瑚の海をまたいだその向こう。そんな遠い土地へ、おひとりで……全寮制で人間に囲まれた慣れない生活……ご苦労の連続に違いない。ああ、僕がお伴できれば！
『いいや、マレウスはひとりではないぞ。わしが伴をする』
『リリア様が！？』
リリア先輩の言葉に、記憶の中のセベクが驚く。
きっと彼にとっては寝耳に水だったのだろう。
『うむ！実はかなーり昔の話じゃが、わしにも入学許可証が届いていてのう。学園に確認したところ、古い許可証でも問題なく入学できるらしい。そこで、わしもマレウスと一緒に入学する事にしたんじゃ！』
『外国に詳しいリリア様がご一緒とあらば、百人力ですね！安心いたしました！』
『わしも長いこと生きてたが、学校に通うのはこれが初めて。くふふ、楽しみじゃのう！』
『しかし……片付けが苦手なお前が長年許可証を失くさずにいられたとは。話を聞いた時は驚いたぞ、リリア』
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 40人がお気に入り
お気に入り作者に追加
「ツイステ」関連の作品
この作品を含むプレイリスト ( リスト作成 )
この作品を含むプレイリスト 
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ブロッサム(プロフ) - 脱字報告ありがとうございます！ (11月29日 14時) (
レス) id: 2d3621a68f (このIDを非表示/違反報告)
ミア - 訂正があります。今日更新したシルバーのセリフのどうしてのうが抜けてます。 (11月29日 14時) (レス) @page48 id: 1893bd7a09 (このIDを非表示/違反報告)
ブロッサム(プロフ) - 誤字報告ありがとうございます。 (11月19日 15時) (レス) id: b52f0561ce (このIDを非表示/違反報告)
ミア - 訂正があります。36ページのセベクのセリフにある【師弟】が【指定】になってますよ。 (11月19日 15時) (レス) @page36 id: 48a8f87c53 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ブロッサム | 作成日時：2023年10月28日 20時
