EPISODE8-83-10 たとえ似ていても ページ41
シルバー先輩を捜すのはいいとしても、『闇』の中は広い。
いや違う。ここには、広さや距離など無に等しい。
なんとか手探りで捜している間、話題がシルバー先輩になる。
「うう……全然シルバーが見つけられないんだゾ。シルバーのヤツ、夜明けの騎士と顔がソックリだったのがそんなにショックだったのか？オレ様だって学園に入学してから、しょっちゅう狸や猫に間違われるんだゾ。顔が似てるくらいでそんなに落ち込むことねぇのに」
「他人の空似、という可能性もあるが……夜明けの騎士はシルバーと同じ指輪を所持していた。リリア様に拾われたとき所持していたもらしいが……何らかの繋がりがあると考えていいだろうな」
繋がりなんて……そんなの、彼らが血縁関係であること以外ありえない。
私のように隔世遺伝なのか、そうではないかはこの際置いておく。
「でもよぉ、夜明けの騎士って何百年も昔のニンゲンだろ？そんな大昔の事、気にしてたらキリがねーんだゾ」
「だがリリア様やお祖父様、そしてマレウス様にとって、夜明けの騎士は“過去の人間”ではない……のかもしれない」
「……そうでしょうね」
彼らにとって、夜明けの騎士は仇。
それを過去の人間として割り切ることは、きっと難しいだろう。
「ショックを受ける気持ちはわかるわ。でも、血縁者だろうと他人は他人。気にすることはないわ」
「……！！はっ。意外と言うではないか！確かに、お前の言うとおりだ」
私の言葉にセベクは驚くも、明るく笑って同意した。
「リリア様の夢を訪れてから、僕もずっと考えていた。僕の父の遠い祖先も、きっと……と、だから、少しだけヤツの気持ちもわかる。しかし……だからといって、自分を責める必要などない。リリア様のお気持ちを考えればなおさらだ」
「そうね。そういう話は全部終わってからにして欲しいわ」
「ああ。暗い場所に閉じこもってうじうじしている暇はない。さっさとシルバーを見つけて活を入れねば！」
更なるやる気を見せたセベクと共に、私たちは足を動かし、『闇』の中を彷徨う。
EPISODE8-83-11 追憶の幕間2-5→←EPISODE8-83-9 くだらなくても『闇』にとっては絶好の獲物
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 40人がお気に入り
お気に入り作者に追加
「ツイステ」関連の作品
この作品を含むプレイリスト ( リスト作成 )
この作品を含むプレイリスト 
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ブロッサム(プロフ) - 脱字報告ありがとうございます！ (11月29日 14時) (
レス) id: 2d3621a68f (このIDを非表示/違反報告)
ミア - 訂正があります。今日更新したシルバーのセリフのどうしてのうが抜けてます。 (11月29日 14時) (レス) @page48 id: 1893bd7a09 (このIDを非表示/違反報告)
ブロッサム(プロフ) - 誤字報告ありがとうございます。 (11月19日 15時) (レス) id: b52f0561ce (このIDを非表示/違反報告)
ミア - 訂正があります。36ページのセベクのセリフにある【師弟】が【指定】になってますよ。 (11月19日 15時) (レス) @page36 id: 48a8f87c53 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ブロッサム | 作成日時：2023年10月28日 20時
