EPISODE8-83-2 『闇』を歩く ページ31
あの記憶を見た後、セベクは躍起になってシルバー先輩の名を呼んだ。
「シルバー！どこにいる。シルバー！！」
「オイ、セベク！そんな大声出したら……」
「ぐぶぶぶ……！」
いつもの大声で呼びかけるセベクを止める前に、嬉々とした様子の『闇』が現れる。
「ほらみろ！『闇』が寄ってきちまったんだゾ！」
「次大声出したらその声帯引っこ抜くわよ！物理的に！」
「物理的！？恐ろしいことを言うな貴様！！」
ぎゃーぎゃーと場違いにも騒ぎながら、あちこち魔法を飛ばして、なんとか『闇』を追い払うことができた。
「見渡す限り真っ暗だ。ここは一体どこなのだろう」
「あの時、私たちは『闇』の中に飛び込んだ……多分だけど、ここは夢の世界と現実の狭間かもしれないわ」
「どういうことだ？」
「シルバー先輩曰く、夢は思い出や、願いが作り出すイマジネーションの世界らしいわ。ここはその夢の持ち主の願いと現実世界で培った記憶が混在している。それなら、さっきの記憶を見たのも納得いくでしょ？」
「なるほど……この夢の世界がリリア様のものなら、先ほどの景色はリリア様の記憶が見せた一種の幻というものか」
「あくまで推測だけどね」
夢という不安定要素が多いせいで、はっきりとしたことは言えない。
でも、この推測はなんとなく当たっているような気がした。
「そう考えると、先にこの中に入ったシルバーは今どうなっているのだ……？」
「…………」
「……いや、立ち止まっている時間などない。早くシルバーを見つけ出し、リリア様たちを追わなくては！」
「そうね、どのみちシルバー先輩を見付けないと先に進めないわ」
互いにその結論に至り、私たちはまた迫りくる『闇』に向けて、マジカルペンを向けた。
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ブロッサム(プロフ) - 脱字報告ありがとうございます！ (11月29日 14時) (
レス) id: 2d3621a68f (このIDを非表示/違反報告)
ミア - 訂正があります。今日更新したシルバーのセリフのどうしてのうが抜けてます。 (11月29日 14時) (レス) @page48 id: 1893bd7a09 (このIDを非表示/違反報告)
ブロッサム(プロフ) - 誤字報告ありがとうございます。 (11月19日 15時) (レス) id: b52f0561ce (このIDを非表示/違反報告)
ミア - 訂正があります。36ページのセベクのセリフにある【師弟】が【指定】になってますよ。 (11月19日 15時) (レス) @page36 id: 48a8f87c53 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ブロッサム | 作成日時：2023年10月28日 20時
