そして魔女は傍観に徹する ページ27
No side
「これは……かなりまずいわね」
水盆に映るシルバーの姿に、ルナティアは冷や汗を流しながら見つめる。
シルバーは己の出自と過去を知ったが、それを受け止めるための余裕が彼にはなかった。
本当ならもう少し時間をかけて、ゆっくりと受け入れるはずだった。
しかし夢の世界は、最悪のタイミングで残酷な真実を突きつけた。
今のシルバーは夢に囚われかけているが、今いる夢の世界の核であるリリアの呼び声によって思い留めている。
だけど、それも時間の問題だ。
「こういう時、物語なら王子様が華麗に助けにくるところでしょうけど……」
生憎、シルバーは男だ。
王子様を助けに来るお姫様など、あの『闇』の中にいない。
いるとすれば、幼馴染みと己の血を引く魔女、そして不思議な魔獣だけ。
「でも、彼女たちで呼び戻せるかと言われたら……それも不確定要素よね」
いくら苦楽を共にしても、シルバーの苦しみを分かち合うことはできない。
見つけたとしても、彼が現実に戻ると思わない限り、永遠に『闇』に囚われ続ける。
「……ま、これは全部“あいつ”が悪いわよね」
ルナティアは水盆の表面を指先で軽く叩くと、いくつもの波紋が生まれる。
「そういうわけだから、さっさと息子を助けなさい。妻子を置いて勝手に死んだんだから、これくらいは当然の責務よ――夜明けの騎士」
徐々に弱まる波紋の先で、兜を外し、ルナティアに向けて苦笑いを向ける夜明けの騎士が映し出された。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 41人がお気に入り
お気に入り作者に追加
「ツイステ」関連の作品
「元の世界に帰る事になったの」【ツイステ】
【ヒロアカ】【ツイステ】何度でも夢主がトリップしちゃった件について。Part.3
【twst】歪んだ世界を地獄へ【男主】
この作品を含むプレイリスト ( リスト作成 )
この作品を含むプレイリスト 
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ブロッサム(プロフ) - 脱字報告ありがとうございます！ (11月29日 14時) (
レス) id: 2d3621a68f (このIDを非表示/違反報告)
ミア - 訂正があります。今日更新したシルバーのセリフのどうしてのうが抜けてます。 (11月29日 14時) (レス) @page48 id: 1893bd7a09 (このIDを非表示/違反報告)
ブロッサム(プロフ) - 誤字報告ありがとうございます。 (11月19日 15時) (レス) id: b52f0561ce (このIDを非表示/違反報告)
ミア - 訂正があります。36ページのセベクのセリフにある【師弟】が【指定】になってますよ。 (11月19日 15時) (レス) @page36 id: 48a8f87c53 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ブロッサム | 作成日時：2023年10月28日 20時
