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『あのね、どんぐりのお守りを持ってると、元気で長生きできるんだって。樫の木の妖精たちが教えてくれたんだ』

どんぐりのブレスレットを渡す幼いシルバーは、笑顔で告げる。

『とと、ずーっと元気でいて。それで、ず――――っと一緒にいようね』
『……わしの長寿を祈ってくれるのか。人間であるお主が……』

その時のリリアの顔を、シルバーは忘れていない。
泣きそうな顔をしながらも、嬉しさを滲ませた笑みを浮かべていたことを。

『とと?どうしたの?どこか痛いの?』
『……なんでもない。こちらにおいで』

誤魔化しながら息子を抱きしめたリリア。
その力強さに、幼いシルバーは驚きながらも笑顔を浮かべる。

『とと、そんなにギュッとされたら苦しいよ。ふふふっ』
『最高の贈り物じゃ。このお守りがあれば、あと1000年は生きられそうな気がしてくる。ありがとう』
『えへへ……大好き、とと』
『わしもじゃよ、シルバー』

その温かな光景を見て、シルバーは声を震わせる。

「あのどんぐりのブレスレットは、寮へ部屋を片付けるときに見つけた……!あれは俺が贈ったものだったのか。すっかり忘れていた……」

あの時、リリアは言っていた。
過去に賜ったもので1番価値のあるもので、マレウスすら羨んだお宝だと。

「ボロボロになったどんぐりなんて、価値があるわけがない。なのに、どうしてあなたはあんな嘘を……ううっ……うう……!」

何を見ても、言葉を聞いても、すべてを嘘と思い込むほど、シルバーの心は追い詰められていた。
もう数えることすら億劫なほどの涙を、シルバーは零し続けた。

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ブロッサム(プロフ) - 脱字報告ありがとうございます! (11月29日 14時) (レス) id: 2d3621a68f (このIDを非表示/違反報告)
ミア - 訂正があります。今日更新したシルバーのセリフのどうしてのうが抜けてます。 (11月29日 14時) (レス) @page48 id: 1893bd7a09 (このIDを非表示/違反報告)
ブロッサム(プロフ) - 誤字報告ありがとうございます。 (11月19日 15時) (レス) id: b52f0561ce (このIDを非表示/違反報告)
ミア - 訂正があります。36ページのセベクのセリフにある【師弟】が【指定】になってますよ。 (11月19日 15時) (レス) @page36 id: 48a8f87c53 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ブロッサム | 作成日時:2023年10月28日 20時

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