EPISODE7-81-2 夜明けの子の真実【後編】 ページ13
No side
『ほぎゃぁあああん！あぁあ――ん！』
手を伸ばすリリアの殺気を感じ、赤ん坊は大声で泣く。
それを聞いて、リリアは静かに手をだらりと落とす。
『…………………………………………はぁ。……そんなことをすれば、マレウスに顔向けできんな。あやつに人間を愛せと……隣人と共に歩めと説くのなら、わしもそうせねばならんじゃろう』
そこまで言い切って、リリアは寂寥を滲ませた眼差しで赤ん坊を見つめる。
『それに……あの日、夜明けの騎士が見逃してくれなかったら、わしはマレウスすら失っていた。人間を、愛せるだろうか……この“俺”に』
「やめてください、親父殿……俺は、俺はあなたに愛されていい存在じゃない」
耐え切れず首を振るシルバーに、赤ん坊は泣くことをやめない。
まるで、眠っていた分を取り戻すように。
『あぁぁん！ぎゃぁ―――ん！』
「やめろ！泣くな！お前に泣く資格なんかないんだ！」
意味がないとわかっていても、そう叫んだシルバー。
だけど、リリアは苦笑しながら赤ん坊に手を伸ばす。
今度は仇を取るためではなく、泣く子をあやすために。
『よしよし……そんなに泣くな。こんな小さな体で、よくぞ長き孤独に耐えた。よいせっ……と』
そうして赤ん坊を抱き上げると、リリアはその重さに笑みを浮かべる。
『くふふ、案外どっしりしておるな。マレウスが孵った日のことを思い出す。まるで昨日のことのようじゃ。……『自分の命と引き換えにしても我が子だけは』と願うのは、妖精も人間も同じ、か』
『ひっく……ひっく……あぶ……』
『夜明けの子よ、今日が新たなお主の誕生日じゃ。よって……お主に祝福を授けよう。――夜の祝福あれ』
リリアが赤ん坊に祝福を与える。
すると、赤ん坊の金の髪が銀の髪に変わった。
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ブロッサム(プロフ) - 脱字報告ありがとうございます！ (11月29日 14時) (
レス) id: 2d3621a68f (このIDを非表示/違反報告)
ミア - 訂正があります。今日更新したシルバーのセリフのどうしてのうが抜けてます。 (11月29日 14時) (レス) @page48 id: 1893bd7a09 (このIDを非表示/違反報告)
ブロッサム(プロフ) - 誤字報告ありがとうございます。 (11月19日 15時) (レス) id: b52f0561ce (このIDを非表示/違反報告)
ミア - 訂正があります。36ページのセベクのセリフにある【師弟】が【指定】になってますよ。 (11月19日 15時) (レス) @page36 id: 48a8f87c53 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ブロッサム | 作成日時：2023年10月28日 20時
