【ツイステ】魔に愛された少女はねじれた世界を生きる3 (ページ7)

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EPISODE1-17 失態レセプション！ページ7

「ちょっと待てよ！そんな無茶苦茶なルールあるか！」
「そうだゾ！捨てるんだったらオレ様が食う！」

ローズハート先輩の命令はあまりのも横暴で、謝る姿勢だったエースもさすがに噛みつく。
というかグリム、擁護してるようだけど単純にマロンタルト食べたいだけよね？

「寮長、申し訳ありません。マロンタルトを作ろうと言ったのは俺です」
「そうそう。まさかそんな決まりがあるなんて全然思ってなくて」

トレイ先輩もケイト先輩も慌ててフォローに入るも、旗色はあまりよくない。

「作ったことが重要なんじゃない。今日！今、ここに！持ち込んだこと“だけ”が問題なんだ！」

持ち込んだ“だけ”？それが問題？
なにそれ……もう、我慢できない。

「――何言ってるのよ、あなた。法律を守りすぎて頭おかしくなったの？」
「「「「「！！？？」」」」」
「……なんだって？」

ピシリ、と完全に空気が凍った。
ローズハート先輩がこちらを睨みつけるも、逆に睨み返す。

「あなたの言ってることがどれだけ最低なことかわかってるの？タルトひとつ作るだけでも大変だったのに、それでもここのルールに従ってちゃんと用意したのよ。それなのに……法律違反したから破棄しろ？一口も食べないで？
　――ふざけないで。食べ物を粗末にすることも、人の誠意を踏み躙るのも、法律以前の問題よ。どれだけ偉いのか知らないけれど……そんなおかしなルールに従ってるなんて馬鹿みたい」
「馬鹿……だって？」
「貴方がルールを守るのは貴方の勝手よ。好きにしなさい。でも、それを他人に押しつけないで。この寮では偉い女王様だろうけど、神様じゃない。すべてが自分の思い通りになんて自惚れるのも大概にしておきなさい」

私の言葉は完璧にローズハート先輩の怒りの琴線に触れた。
男にしては可愛らしい顔が般若のように歪む。

憎悪を滲ませた目を向けられても、私はその目を決して逸らさなかった。
私自身、自分が間違ったことを言ってないと思っている。
彼から目を逸らすということは、その考えを裏切る行為だ。

だからこそ、ここで負けるわけにはいかなかった。
マロンタルトを一緒に作ったエースたちの努力を無駄にしないためにも。