【ツイステ】魔に愛された少女はねじれた世界を生きる3 (ページ15)

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「ん？待てよ……なら、オマエはいつか元の世界に帰るのか？」

グリムのふとした疑問を出すと、2人は慌てた様子でグリムの口を塞ぐ。
少し騒がしくなる3人を見ながら、私は首を横に振る。

「帰らないわよ。入学式の時にすでに学園長からはそう話してあるし、戸籍とかは後日話すつもりよ」
「……なあ、A。お前が元の世界に帰らないのって、やっぱり両親のことか？」

デュースの言葉に私は少しだけ口を閉じた。

「……そうね。デュースにも話したけど、私は生まれつき両親に全然似ていなくてね、不審に思った父が母の浮気を疑って、一時期離婚の危機までいったわ。でも、すぐに私が両親の実の子どもだと分かっても……父は私を娘と認めず、母は私を『疫病神』と呼んだ」
「……改めて聞くと、ふざけた話だよな。似てないのを理由に血のつながりを認めないなんて」
「そういう親も意外といるのよ」

もし世界中の親が全員子どもを無条件に愛するのならば、幼くして命を散らすというひどい末路を辿らない。

「話を元に戻すけど、私には両親の他に7歳上の兄と5歳上の姉、それと双子の妹がいるの」
「ほわっ！オマエ、意外と大家族なんだな」
「そうかもね。……両親に疎まれた当時の私はどうして嫌われているのかわからなくて、毎日両親に話しかけたり甘えても、2人は冷たくあしらうだけだった。
　あの頃の私は自分がまだ2人にとって誇れる子じゃないと考えてね、一生懸命頑張れば家族として認めてくれると思って勉強もスポーツも習い事も全部そつなくこなせるように努力したわ。
　……でも、それは間違いだった。両親は他のきょうだいより優秀な私をさらに疎み、兄も姉も異常なほど成長する私を恐れた。そして……長い間、私と比べ続けられた妹から“ある言葉”を言われてしまった……」
「ある言葉……？」
「『――お姉様なんて、生まれてこなければよかったのに』」

瞬間、3人が息を呑む。
仮にも家族から、それも同じ日に生まれた妹から言われた言葉は、あまりにも残酷で心をえぐる言葉だから。

「んだよ、それ………お前は何も悪くないだろ！？家族に認められようとただ必死に努力しただけなのに、そんなことひどいことを言うなんて……！！」
「ああ……そんなの自分の出来を悪さを正当化しようとしてただけだろ。ダッセー奴だな」
「オレ様だったら、そんなこと言われたらぜってーそいつの髪燃やしてたんだゾ！」

私の代わりに怒る3人をなんとか宥め、話を続けた。