EPISODE5-34 挽回プリンス！ ページ46
夢を見た。幼い頃の記憶を。
『どうして……どうしてなの……？』
今では信じられないほど泣きじゃくる幼い私。
座り込んでいる床には100点満点のテスト用紙や賞状が破った状態で散らばっていた。
これは……そうだ、思い出した。
100点満点のテストを見せようと両親の元に行ったんだった。
だけど……。
『用はそれだけか？なら、早く出て行ってくれ』
『A！また私に不幸を振りまく気なの？この疫病神が、早くどっかに行って！』
父には冷たく追い払われ、母には鬼の形相で物を投げつけられた。
泣くのを我慢して部屋に戻り、今まで保管していたテストも賞状を全部取り出して、思いっきり破った。
どんなに頑張っても、どんなに努力しても、
兄も姉も私を見ると嫌な顔をして、片割れである妹は心配そうに見るもすぐに家族の誰かによってどこかに連れて行かれる。
ああ、私はいつもひとりぼっち。
誰も、私のそばにいてくれない。
痛い。辛い。苦しい。寒い。寂しい。
どうして？私が一体何をしたと言うの？
見た目が違う。頭が良すぎる。
たったそれだけで、どうしてこんなに嫌われなければならない？
『……Aお嬢様』
ノックもせず部屋に入ってきたのは、当時私の世話をしてくれた女性。
母に嫌われた私にとって、母親代わりであり味方だった人。
『お嬢様、もう泣かないでください。……ああ、どうして旦那様も奥様もこんなひどい仕打ちをするのでしょうか？』
目元を真っ赤に腫れている私を抱きしめ、雇い主である両親の所業を信じられない顔で呟く。
そして、私の耳元でそっと囁く。
『大丈夫ですよ、お嬢様。いつかお嬢様を愛してくださるお方が現れます。こんなに綺麗で美しい子なんですから……きっと、幸せな花嫁さんになれますよ』
きっと、あの時の彼女は本心からそう言ったに違いない。
でも……私にとって、その言葉すらただの慰めだと思っていた。
――嘘つき。
――どんなに美しくなっても、誰も私のこと好きになってくれないじゃない。
部屋に置いてある姿見に映る自分を、私は憎悪に満ちた目で見つめていた――――。
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ブロッサム(プロフ) - 絵が上手くないので難しいです！むしろ誰か描いてください……！ (2021年2月10日 17時) (
レス) id: e227af577a (このIDを非表示/違反報告)
ユノ - 夢主人公のイメージイラストが見てみたいです (2021年2月10日 15時) (レス) id: 2a665cb182 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ブロッサム | 作成日時：2021年2月8日 16時
