EPISODE5-32 発動カース！ ページ42
シェーンハイト先輩の魔法は、やはり寮長クラスというのもあってかなり強力だ。
特に無属性魔法はどの属性にも有効であるため、火属性魔法も水属性魔法も風属性魔法も相殺してしまう。
「オレら育ち盛りっすよ！夜中に腹減るのくらい当たり前じゃん」
「ハーツラビュル寮生としては、クローバー先輩の手作りスイーツを無視することはどうしてもできねぇっていうか……！」
「――そろそろ時間ね」
エーデュースが言い訳した直後、シェーンハイト先輩がそう呟いた。
「はあ？時間って………………うっ！」
「………………ふがっ！？」
「………………ぐっ！？」
突然3人が呻き声を上げた途端、バタバタと床に倒れていく。
「み、みんな！？なんで急に倒れて……！？」
その時、私は思い出した。
ケーキとジュースから感じた、おぞましい魔力を。
「か、体が、しびて………………」
「うぐぐ、立ち上がれねぇんだゾ………………」
「これは一体……っ？」
困惑する3人を尻目に、私は涼しい顔をしているシェーンハイト先輩を睨んだ。
「シェーンハイト先輩。あなた、あのお菓子に何かしたんですか？」
「ま、まさか、冷蔵庫の食べ物に毒を……！？」
「ふっ……毒じゃないわ。それは“呪い”」
「の、呪い？呪いを食べ物に仕込むってどういう……」
呪い。確かに魔法の中にはそういう系統のはあるが、あそこまで気づかない呪いはない。
そこまで高度な呪いを、誰1人気づかれることなくかける魔法。
まさか……。
「……対象物に呪いを付与するのが、シェーンハイト先輩のユニーク魔法ですか？」
「あら、察しがいいのね。そう、これがアタシのユニーク魔法。『
マネージャーの言う通りこの魔法は、手に触れたものに“呪い”を付与することができるの。この強烈な呪いは、条件を満たすまでアタシにも解けない」
「条件？」
「昼間アンタたちから回収した菓子にかけた呪いはこうよ……『これを口にした愚か者は、翌日陽が昇るまで動けなくなるだろう』」
……なるほど、だから3人は倒れて動けなくなったというわけね。
いくら条件付きとはいえ、食べただけで呪いが発動するなんて……正直、リドル先輩のユニーク魔法と同じくらい恐ろしい。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 161人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を含むプレイリスト 
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ブロッサム(プロフ) - 絵が上手くないので難しいです！むしろ誰か描いてください……！ (2021年2月10日 17時) (
レス) id: e227af577a (このIDを非表示/違反報告)
ユノ - 夢主人公のイメージイラストが見てみたいです (2021年2月10日 15時) (レス) id: 2a665cb182 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ブロッサム | 作成日時：2021年2月8日 16時
