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「言われてみればそう……なのかな？基本的には、おばあさまが大皿に作ってくれた料理をみんなでつつくんですけど……」
「ああ、人数多いとそっちのほうが楽よね」
「えっ、1つの皿からみんなで食べる！？それは1人分の寮が決まってないということかい？そんなのどれくらい食べるのが正しいマナーなのかわからないじゃないか……！」
エペルの話を聞いて、リドル先輩はいちいち反応する。
もしかしてリドル先輩……カルチャーショック受けてる？
「大丈夫ですよ！みんな大雑把だから、そういう細かいことは気にせずわいわい食べるので」
「要は好きな料理を好きな分だけ食べるのがマナーというやつです」
「そ、そうなのかい……？」
「あ、そうだ！あの話をするのを忘れてた」
リドル先輩が困惑している間も、エペルは話を進める。
「おばあさまはハロウィーンには必ず、カボチャのプディングを大鍋いっぱいに作ってくれるんですけど、これが数ある料理の中でも……だんげ、めぇ！！」
「た、たんげ……？今なんて？」
「エペル、訛ってる訛ってる」
「あっ！すみません、つい興奮して地元の言葉が……」
「ああ、郷里の言葉だったのか」
よ、よかった。リドル先輩が言葉遣いにあんまりうるさくなくて。
これがヴィル先輩だったら、絶対雷落ちてたわ……。
「……それにしても、キミはずいぶん楽しそうに実家の話をするものだ。故郷のことが、本当に好きなんだね」
「……はい。うちの地元は本当にいいところなんです。食べ物は美味しいし、人もおおらかで。今年のハロウィーンは実家の宴会に参加できないのが実はちょっと残念……かな。
でも、ナイトレイブンカレッジのハロウィーンが僕にとっては新鮮で楽しくて……。どっちかを選ぶのは難しい、かな」
「ふふ。贅沢な悩みだね」
「そうですね。でも、エペルらしい悩みだと思いますよ」
実家もナイトレイブンカレッジ楽しいと思って、どっちも選べない。
そういうのも、エペルらしいと思った。
「あ、そうだ。リドルサンとAサンの実家だと、どんな風にハロウィーンを過ごすんですか？」
「ボクか……うちはイベントに乗り気な家ではなかったから、特別なことはしていないね。それに、こういった催事の日に勝手に出歩くことは許されていなかった。仮装をして、お菓子のバケツを手に歩いている子たちが少しだけ羨ましかったよ」
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作者名：ブロッサム | 作成日時：2021年6月27日 19時
